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「電子出版のロングテールを」――インフォテリア、iPhone向けコンテンツ有料配信サービス

» 2010年07月22日 18時16分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 Handbook ライブラリ

 インフォテリアは7月22日、法人や個人がコンテンツをiPhone向けに有料配信できる「Handbook ライブラリ」を始めた。ユーザーが制作したコンテンツを、専用iPhoneアプリのアプリ内課金で販売する仕組み。アプリ制作のノウハウやAppleへの申請の手間なく、コンテンツ制作から販売まで行える。

 教育機関が講義や学会の資料を販売したり、企業がマニュアルを販売する――といった利用シーンを想定。「電子出版のロングテールを実現する」と、同社の平野洋一郎社長は意気込む。

 専用ツール「Handbook Studio」で作成したコンテンツを、iPhone/iPad/Android向け専用アプリで販売・閲覧できるようにする「Handbook」の新サービス。iPhoneアプリは、コンテンツを特定のユーザーに公開するための「クローズドユース版」と、広く一般に公開するための「オープンユース版」があり、新サービスはオープンユース版で対応する。

画像 Handbook Studio

 ユーザーはまずHandbook Studioで、テキスト、画像、動画などを組み合わせたコンテンツを作成。ブログを書くような感覚で気軽に作成でき、クイズやアンケート画面なども作れる。ページめくりなど紙の本を再現した電子書籍とは違い、Handbookはインタラクティブな表現が特徴という。できあがったコンテンツは同アプリでの閲覧専用となる。

 コンテンツの販売価格は無料〜11万5000円までの85段階で自由に設定でき、3割がApple、2割がインフォテリア、残りの5割がユーザーの取り分になる。ユーザーはHandbook Studioの利用料を支払う必要があり、料金はコンテンツ容量が500Mバイトまでなら年間21万円、500Mバイト追加することに5万2500円となっている。

画像 平野社長

 アプリ内で有料コンテンツを配信するために必要なAppStoreへの申請作業もインフォテリアが代行。無料コンテンツの場合もインフォテリアが審査した後、アプリ内で公開される仕組みだ。

 コンテンツ購入者は、Handbookアプリをインストールした上で、アプリ内課金で購入・閲覧する。

 教育機関や企業での利用を想定しているが、個人でも利用できる。現在アプリには、浴衣の帯の結び方などを解説した「Awai浴衣教室」や、中央大学の概要が分かるハンドブックなど無料コンテンツが並んでいる。「ITパスポート試験」の問題集など、AppStoreに申請中の有料コンテンツが近日中に公開される見込みだ。

 目標は2年で4000タイトル。今後はiPad対応などを計画している。

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