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デスクトップ仮想化の投資対効果は3年で3倍、回収期間は約1年

» 2010年08月25日 19時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]
デスクトップ仮想化によるベネフィットの内訳(出典:IDC Japan)

 IDC Japanは8月25日、デスクトップ仮想化市場の産業分野別/従業員規模別のROI(投資対効果。調査では生産性や運用管理に伴う人件費などを指す)の算出と分析を行った結果を発表した。導入企業でのROIは3年間で327.2%に上り、投資額の回収期間は12.2カ月だった。

 調査は、デスクトップ仮想化を導入した組織のIT管理者471人を対象にWebを通じて実施した。

 産業分野別のROIは、「情報サービス」が407.3%と最も高く、以下は「自治体/教育」の400.5%、「金融」の319.9%、「製造」の292.2%の順だった。デスクトップ仮想化製品の導入によって生産性はエンドユーザーで26.2%、IT管理者で29.7%、企業全体で32.1%それぞれ向上した。

 ユーザー1人当たりの効果に換算した場合、「自治体/教育」が108万4319円と最高だった。同社では、「ITリテラシーが低いためIT全般の導入が民間企業ほど進んでおらず、また、日常業務で生産性向上など具体的な効果を得られたとの回答が目立った」と報告している。1人当たりの初期投資額が最も低いのは「情報サービス」の24万2100円。自社技術を基にデスクトップ仮想化を構築し、システム構築費用をほかの業種より低く抑えているという。

 従業員規模別のROIで、「1000〜9999人」の企業が347.4%と最も高く、以下は「1万人以上」の企業の342.1%、「1〜99人」の企業の327.8%、「100〜999人」の企業の281.2%だった。小規模企業ではROIの投資部分の最小化、大規模企業ではROIの効果部分の最大化が可能だという。全体的に初期投資額、年次投資額、ベネフィットは従業員規模に比例して高くなることが分かったとしている。

 IDC Japan 携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「デスクトップ仮想化は戦略的IT投資に位置付けられ、ユーザー企業は便益を得られることが調査で判明した」とコメントを寄せている。

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