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ドコモ、11年度にスマートフォン600万台販売へ

» 2011年04月28日 21時27分 公開
[ITmedia]

 NTTドコモは4月28日、2011年度(2012年3月期)のスマートフォン販売台数目標を600万台としたことを明らかにした。山田隆持社長は「600万台売るにはお客への説明から開発まで全てを変えなければならない」と、Androidを主軸に据えた開発体制の構築などスマートフォン強化策を進め、「急拡大するスマートフォンでも顧客満足度ナンバー1」を目指していく。

 「Xperia」を皮切りにAndroidスマートフォンに本腰を入れた10年度(11年3月期)、スマートフォンは252万台を販売。全体では前年度比で5.6%増の1906万台を販売しており、スマートフォンは約13%を占めた計算だ。

photo 決算説明会資料より

 11年度の端末販売数は、3.9%増の1980万台を見込む。その3割に当たる台数のスマートフォンを販売するために、新機種の半数以上をスマートフォンにする計画。LTE「Xi」(クロッシィ)に対応したスマートフォンを今年冬に発売するほか、女性や40代以上など、幅広い層をターゲットにした端末も投入していく。

 商品企画は端末からアプリまで一貫した体制とし、コンテンツ開拓体制の一元化、開発体制のAndroidへのシフトなども図っていく。スマートフォン専用のコールセンター要員も拡充するなど、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)と同様に「スマートフォンのユーザーにとっても顧客満足度ナンバーワンを続けたい」と山田社長は力を込める。

photo

 スマートフォンの販売拡大は収益に直結する。音声ARPU(加入者1人当たり収入)が減少する一方なのに対し、パケット通信のARPUは上昇傾向にあり、10年度のパケットARPUは2540円と、音声ARPUを10円上回った。11年度のパケットARPU目標は「非常にチャレンジング」という2670円に設定。11年度のパケット収入全体(1兆8300億円)のうち、前年度からの増加幅として見込む約1400億円中の約900億円をスマートフォンからの貢献分として期待している。

 下がり続ける総合ARPU(音声+パケット)を11年度に底打ちさせ、パケットのけん引で12年度以降に上昇に転じさせるために、山田社長は「スマートフォン600万台をなんとしても達成したい」と意気込んでいる。

 東日本大震災前後でスマートフォン販売にマイナスの影響は出ていないという。ただ、5〜7月にかけて一部で部品不足になる恐れがあり、夏モデルの一部機種は発売が2週間ほど遅れる可能性があるという。

今期は横ばい 震災復旧費用など見込む

 NTTドコモが4月28日発表した2011年3月期の連結決算(米国会計基準)は、売上高に当たる営業収益は前期比1.4%減の4兆2243億円にとどまったものの、営業利益は1.3%増の8447億円だった。ネットワークの効率化などで費用が減少した。

 税引き前利益は0.1%減の8353億円、最終利益は0.9%減の4905億円だった。

 今期見通しは売上高が4兆2300億円(0.1%増)、営業利益が8447億円(0.6%増)など。営業利益は、東日本大震災からの復旧や、新たな災害対策による影響としてマイナス200億円が織り込まれている。

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