東武鉄道と東武エネルギーマネジメントは6月16日、来年開業予定の「東京スカイツリータウン」地下に設置した熱供給システムを報道向けに公開した。大量に製造・貯蔵した温冷水を循環させて同地区の冷暖房を賄うというシステムで、年間を通じた電力使用量の大幅削減を実現するという。
設備の腐食を防ぐために酸素を取り除いた「25メートルプール約17杯分」という7000トンの水道水を、(1)地中熱利用システム、(2)ヒーティングタワーヒートポンプ、(3)温水ボイラー、(4)ターボ冷凍機――によって、夏は5度に冷却し、冬は48度まで加熱する。
製造した温冷水は5器の「大容量水蓄熱槽」で貯蔵した後、ポンプで東京スカイツリーを含むタウン全体で循環させ、冷暖房に利用する。主として夜間に製造した温冷水を日中の冷暖房に利用することで、夏冬ともにピーク時の使用電力を40〜50%カットするという。
地中熱利用システムは、地中深くに埋め込んだチューブ内に熱源水を循環させて、地中から熱を取り出したり放出したりするシステム。地中温度が夏季は外気温より低く冬季は外気温より高いという特徴を利用したシステムで、高いエネルギー効率を実現できるという。熱源水の循環には「水熱源ヒートポンプ」という機器を利用し、取り出した熱エネルギーを冷温水に還元する。
大容量水蓄熱槽は最大で深さ16.8メートル、横幅7.8メートルのタンク5つで構成される巨大な貯水槽だ。溜めた7000トンの水は冷暖房用として使われるほか、大規模災害発生時には生活用水や消防用水として墨田区に提供するという。
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