NECは10月17日、ウェアラブル(身体装着式)コンピュータ「Tele Scouter」(テレスカウター)の新製品を発売した。従来の静止画や動画の表示機能に加え、新たに装着者の見ている映像やオペレーター側の持つデータをリアルタイムに送受信できるようにした。工場や倉庫などにおける現場作業の効率化や事故の防止などを支援するという。
本体価格は1台40万円から。遠隔地間のデータの送受信に対応する「遠隔業務支援ソフトウェア」は199万円から(いずれも税別)。
テレスカウターは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と使用者の腰に装着した専用端末を組み合わせ、実際の視野に電子画面を重ねて表示するシステム。新製品ではブラザー工業のヘッドマウントディスプレイ「AirScouter」を採用し、表示できる文字の大きさは12ポイントまで。従来機は18ポイントまでだったが、高精細化することでより小さい文字も判読可能にした。
Blootooth通信機能の搭載による外部機器との連携にも対応し、バーコードリーダーや各種センサーなどを通じた情報を活用できるようにした。そのほか、市販のマイクやイヤフォンを用いた音声の出入力にも対応している。
専用端末の小型・軽量化も実現した。部品の小型化や部品配置の最適化によって、従来機と比較してサイズ・重量ともに約50%削減したという。新製品の本体サイズは140(高さ)×90(幅)×55(奥行き)ミリ、重量は約360グラム。1回の充電で約4時間利用できる。
製造・公共インフラ・物流などの事業者向けに販売し、今後3年間で1000システムの販売を目指す。現場作業以外の用途も検討し、「例えばパーティー会場で相手の顔を認識してクラウド上のデータベースと照合することで、即座に相手がどんな人物なのかが分かるシステムなど、さまざまな用途を検討していく」(NECの永浜公太郎氏)
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