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McAfee幹部が語る次のセキュリティ対策――「ネットにつながるものは守る」

» 2012年06月18日 08時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 セキュリティ大手のMcAfeeは、Intelと共同開発したPC向けの新たなセキュリティ技術を近く投入する。シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのスティーブ・ペトラッカ氏が、今後の事業展開について明らかにした。

McAfee コンシューマー/モバイル/スモールビジネス担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー、スティーブ・ペトラッカ氏

 2010年に買収を通じてIntelのグループ企業となったMcAfeeは、Intelと「DeepSAFE」というハードウェア支援型の対策技術を共同開発。OSとチップの中間で動作することで、通常のセキュリティソフトでは検出が難しいrootkitなどの不正プログラムを検出したり、感染を阻止したりできるようにする。今後発売されるIntel Core iシリーズ搭載のPCに採用される予定だ。

 DeepSAFEについてペトラッカ氏は、「APT(Advanced Persistent Threat)攻撃と呼ばれる脅威が出現し、従来のセキュリティソフトでは対策がより難しくなる。APTは脅威全体の1%にも満たないだが拡大する可能性があり、対策の“層”を厚くしていく必要がある」と話す。

 APTは数多くの機密情報を抱える企業などを標的にしていることから、同社は年内にまず法人ユーザー向けに「McAfee Deep Defender」の製品名で提供を開始し、2013年には個人ユーザーで利用できるようにする予定。「ハードウェアで動作するのでPC性能が低下する心配はない。Intelプロセッサの機能で、特に企業では管理業務の負担が軽減され、セキュリティ強化も図れる」という。

対策する台数は無制限

 個人ユーザー向けには、セキュリティソフト「マカフィー オール アクセス」の次期版を秋にも世界中でリリースする予定。同ソフトはインストールする機器の台数に制限がないのが特徴で、WindowsのPCやMac、Androidのスマートフォン/タブレットなら何台でも利用できる。現行版の価格は1年1ユーザーが9980円、同5ユーザーが1万4800円だ。

 次期版では新たに、Webブラウザから利用する管理機能が組み込まれるという。ユーザーは管理画面から保護したい端末にセキュリティソフトをインストールしたり、端末ごとの対策状況を把握したりできる。例えば、家庭では子どものPCのセキュリティレベルを“高”に設定して、両親のPCは“中”にするという具合に、Webブラウザ一つできめ細かいセキュリティ対策を講じられる。

 ペトラッカ氏は、新機能の狙いを「将来的にはインターネットにつながるあらゆる機器を保護できるようにするため」と説明する。

 セキュリティソフトの多くは、製品価格がインスールする機器の台数や期間に応じた体系になっている。だが、1人のユーザーが利用する機器の種類や台数が増えている現状ではセキュリティ対策に必要な費用や手間も増える傾向にある。同社はユーザー数に応じた価格となる「マカフィー オール アクセス」を提供することで、こうした環境変化に対応していく考えだ。

 「テレビやゲーム機、さらには冷蔵庫のような機器もインターネットに接続される。インターネット上で家庭内のあらゆる機器のセキュリティ対策を一元的に管理できるようにすることで、ユーザーに負担をかけないようにしていきたい」(ペトラッカ氏)

 価格面以外にも次期版にはプライバシー保護を強化した「セーフブラウジング」という機能も搭載するといい、セキュリティソフト本来の対策機能も磨きをかけていくという。

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