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DeNAとミクシィがソーシャルゲームで提携、両社の狙いは

» 2012年11月22日 20時06分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 笠原社長(左)と守安社長

 ミクシィとディー・エヌ・エー(DeNA)は11月22日、スマートフォンWebブラウザ向けのソーシャルゲーム事業で業務提携すると発表した。ミクシィのソーシャルゲームプラットフォーム「mixiゲーム」スマートフォン版とMobageのプラットフォームを共通化。来年1月に仕様を公開し、来春にリニューアルを行う。同サービスのプラットフォームは両社で共同運営する。Mobageとmixi間でのユーザー連携は行わない。

 両社の社長が同日、ミクシィのオフィスで会見を開き、提携の狙いを説明した。

ミクシィは「課金収入」、DeNAは「SAPの工数削減」

 ミクシィは、友人間のコミュニケーションを活性化するアプリをそろえた「mixiアプリ」を09年に、ゲーム性の高いソーシャルゲームを提供する「mixiゲーム」を11年にそれぞれスタート。mixiゲーム開始以来、課金収入が急伸し、2012年4〜9月期(上期)の決算では課金収入が広告収入を上回るなど「収益の柱になってきている」と、ミクシィの笠原健治社長は話す。

 Mobage向けゲームがmixiにも配信されるようになれば、ユーザーに提供できるゲームの数や種類が増え、課金収入も大きく伸びると期待する。ゲームで得た収益を、mixiのメイン機能であるユーザー間のコミュニケーションの活性化に投下することで、「スピード感を持って事業を進める体制を作っていける」と笠原社長は展望する。

画像 ミクシィの売上高推移。mixiゲームリニューアル以降課金収入が急伸している

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 「開発リソースが足りないという話を、いろんなSAP(ソーシャルアプリプロバイダー)から聞いている」――DeNAの守安功社長は、Mobage向けにゲームを提供しているゲームメーカーの工数削減が狙いと語る。ソーシャルゲームプラットフォームはそれぞれ仕様が異なるため、複数のプラットフォームにゲームを展開したい場合、開発・運営コストがプラットフォームごとにかかる。mixiとMobageのプラットフォームを共通化し、ゲーム管理機能なども統一することで、ゲームメーカーの開発・運用工数を削減し、Mobage向けにリリースするタイトル数を増やしたいという。

 Mobageはゲームで遊びたい人が、mixiは友人と交流したい人が集まる場。両サービスでユーザー層が異なるため、ゲームのヒットの仕方や受け入れられ方も異なるとみている。「同じようにヒットする場合もあれば、どちらかだけでヒットする場合もあるだろう。プラットフォームを共通化することでノウハウがたまり、両方でヒットしやすいゲームや片方だけで流行るゲームが分かってSAPにより適切なアドバイスができるようになる」(守安社長)

ミクシィとグリー、提携の可能性は?

 ミクシィとDeNAは共同でECサイト「mixiモール」を展開するなど以前から親密な関係にあり、今回の提携は「どちらかという訳でもなく話が始まり、わりとすぐに発表を迎えた」(笠原社長)という。

 ソーシャルゲームプラットフォームをめぐっては、ヤフーがグリーとの提携を発表した翌日にDeNAとも提携。プラットフォームの“陣取り合戦”が起きている。ミクシィがグリーとも提携する可能性について問われた笠原社長は、「グリーも有力なプラットフォーマーだと思っているが、今回はMobageと一緒に新しいmixiゲームを成功させることにしっかり注力する」と話すにとどめた。

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