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ミクシィ“家族SNS”に参入 子どもの写真、容量無制限で共有「みてね」 笠原会長が企画、自らビラ配り「生涯プロデューサーでありたい」(3/3 ページ)

» 2015年04月13日 15時00分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 米国に渡って現地の新ビジネスを研究したり、ハードウェアとインターネットを組み合わせたサービスなどさまざまな可能性を考えたが、コストとのバランスなどから断念。「子育て1年生だった自分がほしいサービス」として「みてね」を開発した。

 笠原さんはミクシィ株の半数近くを保有する筆頭株主で、その保有分は時価総額で1500億円を超える。社長業も引退しているとなれば、もはや働く必要もないようにも思えるが、なぜ現場で、社員と肩を並べ、夜遅くまで働き続けるのか――そう問いかけると、笠原さんはしばらく考え、こう答えた。

 「自分自身の全力を傾けるものが欲しくて。強い趣味など、ほかに情熱を捧げられるものがある場合はそれに捧げていたかもしれないが、ネットサービスを手がけてきた人間として、ネットを使って新しいサービスを作ることや改善していくところが一番好きな部分で。そこに情熱を注げることが幸せ」

 続けて言う。「それが迷惑……みたいな話になれば、やめたほうがいいと思うけど……」。笠原さんは東京大学在学中の1997年に求人情報サイト「Find Job!」を開設して以来、PCネットの最前線でサービス開発や事業に挑戦してきた。当時は「だいたいのことは分かっていた」が、今はスマートフォンアプリ中心のネット社会になり、「分からないことも増えてきた」という。

 「若手の方が詳しい場面もあり、自分が逆に足を引っ張っていると思う部分もある。しっかりアップデートし続けて、キャッチアップしていかないと。そういう意味で『みてね』は、自分にとって良い経験になっている」

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 次の新規事業も検討中だ。目をつけている分野もあるという。「“生涯プロデューサー”として、毎年1本ぐらい新しいサービスを生み出すことができれば、そんな幸せなことはないと思っている。とはいえまずは、『みてね』を成功させないと」。

 新しいサービスやコンセプトを思いついた瞬間に、最もワクワクするという。「ユーザーからのフィードバックで、そのサービスやコンセプトに本当に価値があると分かった瞬間も楽しい。その瞬間の中毒性で、これからもやり続けたい」。

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