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“世界初” ロボットが決算発表 ソフトバンクの業績をPepperが説明 「孫社長から無茶ブリされた」

» 2015年08月06日 18時27分 公開
[岡田有花ITmedia]

 人型ロボット「Pepper」が8月6日、「世界初」というロボットによる決算発表に挑戦した。ソフトバンクグループが同日開いた決算説明会で、Pepperは約10分間にわたり業績を説明。よどみなく解説し、無事に大役を果たした。同社決算を孫正義社長以外が発表したのは創業以来初めてという。

画像 孫社長に見守られながら決算発表するPepper(ソフトバンクグループの決算発表映像配信より)
画像 決算発表に意気込むPepper

 「孫社長から無茶ブリされちゃったPepperです。とても緊張しています。前代未聞の、ロボットによる決算発表をはじめたいと思います。まず、連結の業績です。ご覧のように全体的に順調に成長しています」――Pepperは孫社長から会場に呼び込まれ、こんな風に説明を始めた。

 同社4〜6月期の連結業績(IFRS)は、売上高が9.8%増の2兆1390億円、営業利益が7.6%増の3435億円。国内通信事業の物販売上増加や、為替の影響で傘下の米Sprintの円建て売り上げが向上したことなどで成長した。最終利益は175.1%増の2133億円。副社長のニケシュ・アローラ氏が担当する投資事業で、投資先の評価益が高まったことなどが貢献した。

 Pepperは「営業利益は8%の増加になりました。成績がいいと僕もうれしいです。純利益では昨年度比で175%増になりました。2.8倍ですね」などと説明。国内通信事業の解約率が他の大手2社と比べて高いことに触れ、「何とかしてライバルより低くなるよう毎日努力していきます」などと話した。

 発表を無事に終えたPepperは、「世界初の決算報告をしたロボットという肩書きがつきました。10月からスタートするPepper for Bizに向けて自信が付きました」と話し、法人向けサービス「Pepper for Biz」をアピールした。

 Pepperによる決算発表は、孫社長が3、4日前に思いついて「無茶ブリ」したという。報告を終えたPepperに「心配してたけど何とか言えたね、よく頑張った」と顔をほころばせ、「僕以外でソフトバンクの決算発表をしたのはPepperが初めて。非常に感慨深い」と話した。

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 Pepperは6月に一般販売をスタート。6月、7月と1000台ずつ発売したが、1分で完売。孫社長は「順調に瞬間蒸発で売れている。予想以上の反響にわれわれも驚いている」と述べた。

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