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おフランス娘ボーカルシンセ「ALYS」と初デートしてみたら頭がどうにかなりそうに(1/5 ページ)

» 2016年03月15日 08時57分 公開
[松尾公也ITmedia]

 最初はUTAUで歌声をチラ見せ。VOCALOIDでやる宣言した後でやっぱりCeVIOにするわ、ところが新興のAlter/Ego事務所からデビューが決まりましたというきまぐれフランス娘こと「ALYS」がついに発売されたので、さっそく歌ってもらった。

 Alter/Egoというのは、VOCALOID、UTAU、Sinsy、CeVIOといった日本で生まれた歌声合成ソフトではなく、カナダ製。もともとはPlogue Art et Technologieが開発したChipspeechという、音声合成の歴史をさかのぼること数十年のレトロ音源で歌うというイロモノだったが、その後Alter/Egoという無料のソフトウェアと、Daisyという無料の歌声をリリース。ALYSもそこにのっかることになった

 ChipspeechおよびAlter/Egoは英語、日本語の歌詞で歌い上げることができるが、ALYSでは英語の代わりにフランス語で歌う。日本語でもうまく歌える。ちなみにALYSは21歳という設定だ。

 Alter/Egoとしての最初のデモ曲はこれ。

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ALYSさんに、まずは日本語で歌ってもらった

 Alter/Egoは、スタンドアロンとDAW(音楽制作ソフト)用プラグインの2種類が用意されている。プラグインは主要なものをほとんどカバーしているので、Mac、Windows問わず幅広く利用できる。今回はMacのLogic Pro Xと、AudioUnitsプラグインで使ってみた。

photo Alter/Egoは単独アプリでも使える

 ALYSの価格は100ユーロ(1万2500円)。ダウンロード販売オンリーだ。今回は事前予約でちょっと安く、83.33ユーロで購入できた。現在もそのセールは続いているようだ

photo 正式な価格は100ユーロだが執筆時点でも83.33ユーロで購入可能

 Macへのインストールには322.8Mバイトの容量が必要。インストーラは、Mac版が299.4Mバイト、Windows版が298.3Mバイトとけっこうコンパクトだ。容量が少ないためか、インストールは一瞬で終わる。

 Alter/EgoではFormant Singerという合成方式をとっていると言っている。ARIA Engineというサンプラー/シンセシスエンジンをベースにしているとうたっていることもあり、サンプラーの素片を接続した、UTAUに近いものではないかと推測される。

 とりあえず1曲、日本語で試してみた。そう、ALYSは日本語で歌えるのだ。

photo インストールすると、フランス語(fr)と日本語(jp)の2種類が使えるようになる

 最近投稿したばかりのカバー曲のオケがあったので、荒井由実(当時)の「海を見ていた午後」のカバーで試してみた。デイリーポータルZで山手のドルフィン探訪記事があったので、インスパイアされたのだ。デビュー当時のユーミンっぽい声質でもあるので、似合うかな、と。

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