――ネットの反応で印象的だったものはありますか。
シンプルに、「歌舞伎すげえ」ですね。歌舞伎そのものの迫力や魅力が、初めて観る人や若い世代にちゃんと伝わったんだなと思いました。新しい手法は取り入れつつ、僕らは最後まで“本物の歌舞伎”をやることにこだわっていたので、きちんとそのように見てもらえたことがうれしかったです。分かりにくい部分、難しい部分もあったと思いますが、真正面から格好よさを伝えることを諦めなくてよかったです。
歌舞伎の魅力は、総合芸術であること。日本舞踊を取り入れた動き、華やかな衣装や舞台装置、各シーンで使われる音楽、合間合間に入るツケ――全てで世界を作っています。映像やデジタルのギミックはもちろん魅力の1つではあるのですが、歌舞伎という演劇が長い時間をかけて培ってきた生のパワーを感じてもらえていたらと思います。
「超歌舞伎」を通して、人をつなげていくインターネットの力も強く感じました。歌舞伎に興味を持った人と歌舞伎ファンの人の交流も生まれているようでとてもうれしいです。ネット上での情報交換を通して、歌舞伎の魅力や楽しさをもっと多くの方に知ってもらいたいですね。
他力本願で申し訳ないですが、歌舞伎ファンの皆さまには、ぜひ新しい人をこちらへ引きずり込んでいただきたい(笑)。「超歌舞伎」は会場で大向うを先導してくれた人、ニコ生のコメントで豆知識を書いてくださった人が盛り上げてくださったおかげで、知らない人にも楽しんでいただけたのだと思います。ファンのみなさんに感謝しながら、貴重な時間を費やしていただいているお客様のお気持ちにかなうよう、これからも一所懸命舞台に取り組んでいきたいと思います。
デジタルと歌舞伎の融合という、今までにない試みでした。当初難しい企画とも言われたのですが、出演者と裏方、皆で力を合わせ、創り上げることができました。
会場いっぱいのお客様が、あれほどまでに盛り上がり、楽しんで下さったこと、演者としてうれしい限りです。多くの皆様が、歌舞伎の屋号を掛けたり、熱いご声援でどんどん盛り上げて下さったことで、それに応えるべく自分自身も興奮し、気持ちが熱くなりました。お客様のパワーが会場にいる全員の胸に響き、全体が一丸となったように感じました。とても演じやすかったです。
歌舞伎のもっている可能性は、デジタルの世界でも十分通用するということが証明されたのではないかと思います。これからも歌舞伎の古典をしっかり守りつつ、新しいことにもチャレンジし続けていきたいです。
超歌舞伎ではじめて歌舞伎に触れた方も多いと思います。若い世代の方々が少しでも歌舞伎に興味を持っていただければうれしいです。歌舞伎座では毎月さまざまな演目が上演されています。ぜひ歌舞伎座にも足を運んでいただければと思います。
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