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「チケットは、お金もうけの道具ではない」 公式転売「チケトレ」正式公開 厳しい意見も「受け止める」

» 2017年06月01日 09時05分 公開
[ITmedia]

 音楽ライブなどのチケットの高額転売が社会問題になる中、購入済みのチケットを定価で譲れるサイト「チケトレ」を、音楽関連4団体が6月1日に正式オープンした。同日の新聞各紙朝刊には、「チケットは、お金もうけの道具ではありません」と高額転売業者を批判し、「チケトレ」を紹介する意見広告も掲載した。

画像 チケトレ
画像 意見広告

 チケトレは、日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体が開設し、ぴあが運営するサイトで、5月10日にプレオープンしていた。

 主催者が再販に同意した公演のチケットを、券面額(ぴあで販売するチケット価格。購入手数料は含まない)でやりとりできる。「チケットを手に入れたが、ライブに行けなくなった時の救済措置を作ってほしいというニーズを解決する」ために開設したという。

 利用には、モバイル認証や身分証による会員登録が必要。手数料として、出品者からはチケット券面金額の10%(3999円以下は一律400円)と、1回の取引当たり380円の送金手数料を、購入者からはチケット券面金額の10%(3999円以下は一律400円)の取引手数料と、チケット券面額の3%の決済手数料を徴収する。(オープン当初のキャンペーン期間は、出品者の取引手数料のみ0%)(料金はすべて税込)。

 業界をあげての転売対策を評価する声がある一方で、「手数料が高すぎる」「転売業者の仕入れ先に使われるのでは」など批判も寄せられた。事務局は「厳しい意見は真摯に受け止めている」とした上で、「今後も不正な取引で多額の利益を出しているネットダフ屋を撲滅し、本当にライブに行きたい音楽ファンを救済する」「ネット上の投機的高額転売を取り締まる法令制定に向け、現在、政府や関係機関にも働きかけを行っている」とアピールしている。

 6月1日の新聞各紙朝刊には、チケトレをアピールする意見広告を掲載。「チケットは、お金もうけの道具ではありません。アーティストとファンを結ぶ架け橋です」とし、転売で高額な利益を得る業者を批判。ライブに行けなくなった場合は、「チケトレ」を通じて購入済みのチケットを定価で出品するよう呼び掛けている。

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