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広島に“人工流れ星” 19年実現に向けファミマ、JALが協賛(2/2 ページ)

» 2017年11月07日 19時29分 公開
[村上万純ITmedia]
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 岡島社長が「当初は企業協賛など想定しておらず、大きなプロジェクトになった」と話すように、今では各大学の研究機関や宇宙航空研究開発機構(JAXA)らとも協力して人工衛星システムなどを開発している。

チーム プロジェクトチーム

 ALEチーフエンジニアの蒲池康さんは「“人工流れ星”は天然の流れ星と似た原理で実現している」と話す。

 「人工衛星から“粒”を極超音速の約7.0キロ/秒で発射し、強く圧縮して高温にする空力加熱の原理を利用する。詳しく分かっていないことが多いが、高温の流星源と蒸気が発光することで高度約60キロの地点に流れ星を作れる」(蒲池さん)

発光 人工流れ星の仕組み
人工衛星 人工衛星システム
人工衛星 人工衛星のスペック

 粒の素材などの詳細は「企業秘密」だが、金属を含む複合物を使っているという。蒲池さんは、“人工流れ星”の軌道計算、発光強度計算、流れ星を明るく光らせるための流星源の研究開発、人工衛星の設計など開発全般を担当。「入念なシミュレーションを繰り返し、プロジェクトは実現する見込みだ」と自信を見せる。

 人工衛星は18年末〜19年初旬に打ち上げる予定で、「打ち上げ候補は民間ロケットを含め選定中」(岡島社長)という。

 岡島社長は「これは壮大な科学実験。多くの人に宇宙を身近に感じてもらい、感動を分かち合いたい」と想いを語った。

スケジュール スケジュール
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