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今度は「コンポタ」で中傷 暴走する“ネットの正義”とどう向き合う?ITりてらしぃのすゝめ(1/3 ページ)

» 2017年11月09日 09時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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 私が大好きな映画の1つ『トゥモローランド』の劇中に、楽観的で未来が明るいと信じている主人公のケイシーが「頭の中に2匹のオオカミがいて、2匹は戦い続けている。1匹は闇と絶望、もう1匹は光と希望。どちらのオオカミが勝つ?」と問いかけるシーンがあります。あなたはどちらが勝つと思いますか?

連載:ITりてらしぃのすゝめ

「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。


暴走するネットの正義

 ネット上での騒動は、毎日のように起きています。「チケットが勝手にキャンセルされた」というツイートに端を発する通称“ローチケ騒動”では、真実かのようにツイートされた虚実が拡散され、問題になりました。

コンポタ ローソンの発表

 最近では、ローソンが販売する缶入りコーンスープについて「ひと口飲んだらゲロの味して中身確認したらこれ。ホンマにやばい。みんな気をつけて」などと書かれたツイートにが拡散され、無関係なユーザーから「それはデマだろ」と糾弾する声が殺到する事件もありました。ところが、商品について「加温什器内で劣化する可能性がある」と正式に発表され、少々込み入った状況になっています。

コンポタ じっくりコトコトコーンポタージュ190g(ポッカサッポロフード&ビバレッジのWebサイトより)

 これまでは「話題になったSNS投稿をうのみにしてだまされる」というのがよくある風景でした。今ではその反動か「全てを疑ってかかる」というフェーズになったのかもしれません。

 「デマ」というのは大変便利な言葉で、あなたがだまされてしまったとき、自分がデマを広めてしまったことは棚に上げて「デマにだまされた、デマを発信するものは滅びろ」といえば免責されたように思えるのではないでしょうか。

 しかし、やはりそれに乗ってしまうことも問題だと思っています。あなたはデマにだまされたといいますが、それをシェアすることは誰かをだましていることにもつながります。

 デマにだまされないためには、情報の真偽は判断不能であることを知り、スルーすることです。ネットやSNSの利用者が増えた結果、人をだますこと、注目を集めることを目的としてウソを書き続ける人もいます。

 そのような創作話は文体の特徴などはあるものの、相当なスキルがなければ見破ることはできません(興味のある方はHagex氏の著書『2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』を読むことをお勧めします)。

 判断ができないのならば、ネットでは正義感をグッとこらえ、心の中にしまっておくのが一番安全です。もちろん、井戸端会議的に「リアルで」正義感を出すのはアリだと思います。そこから情報が拡がることもないでしょうからね。SNSはときに自分の想像を超えるほどの拡散力があります。だからこそ、ネットの正義感というのは危険だと考えています。

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