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DeNAのエンジニアが「ゲーム」から「自動車」事業に異動して活躍できるワケ(1/3 ページ)

» 2017年12月11日 12時00分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「オートモーティブ事業本部に異動したのは2017年春ごろ。それまではゲームのプラットフォームを開発していた」――そう話すのは、ディー・エヌー・エー(DeNA)の放地宏佳さん。“無人宅配”を目指す「ロボネコヤマト」、タクシー配車アプリ「タクベル」など、DeNAが注力するオートモティブ(自動車)事業で、エンジニアとしてサービス開発を支える1人だ。

photo ヤマト運輸とDeNAが神奈川県藤沢市で実施している、“無人宅配”を目指す実証実験「ロボネコヤマト」

 新卒入社してから約5年間、スマートフォンゲームやブラウザゲームの開発を“主戦場”にしてきた放地さんが、オートモーティブ事業でも本領を発揮するというのは、少し異色の経歴に思えるかもしれない。しかし異動には理由があった。

「ゲームプラットフォームの考え方は、クルマの世界にも共通する」

photo DeNA オートモーティブ事業本部の放地宏佳さん

 放地さんは、入社してすぐはゲームプラットフォームの開発に携わっていた。DeNAのプラットフォーム上でゲームを公開するパートナー企業にオープンAPIを提供する部署に所属していた。例えば、ユーザーがあるゲームのログイン時に使っているニックネームを、同じプラットフォーム上の別のゲームでも関連付けて使用できるようにするユーザーAPIなどの開発だ。

 その後は、社内向けにアプリを制作しやすくするバックエンドのサービスを手掛けた。他社と協業案件を調整したり、ブラウザゲーム向けプラットフォームの立ち上げ、技術選定などの業務も担当。「ゲーム内でイベントを開催した際、大量のアクセスが集中するのに耐え得るインフラの設計もしていた」

 なぜ、そうした知見がオートモーティブ分野で役立つのか。「ゲームプラットフォームの考え方は、クルマの世界にも共通する」と、放地さんの上司、小林篤さん(オートモーティブ事業本部 基幹システム開発部 部長)は話す。

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