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Alphabet、GoogleへのEU制裁金51億ドルを除けば2桁台の増収増益 モバイル広告が好調で

» 2018年07月24日 08時23分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 Googleを傘下に持つ米Alphabetは7月23日(現地時間)、第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。欧州連合(EU)からの約51億ドルの制裁金の影響を除けば2桁台の増収増益だった。

 Alphabet全体の売上高はモバイル広告が好調で、前年同期比26%増の326億5700万ドル、純利益は9%減の31億9500万ドル(1株当たり5.54ドル)だった。EUからの制裁金を除いた非GAAPベースの純利益は32%増の826億6000万ドル(1株当たり11.75ドル)で、売上高、1株当たりの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は321億9000万ドル、1株当たり純利益は9.59ドル)を上回った。

 alpha 1 業績まとめ

 EUは、GoogleがAndroidビジネスでEUの独禁法に違反したとして制裁金を科し、改善がみられない場合はさらにAlphabetの1日当たりの売上高の最大5%に当たる罰金を科すとしている。

 業績発表後の電話会見でスンダー・ピチャイCEOは、EUによる制裁およびEUのGDPR(一般データ保護規則)について、長期的にどのような影響があるかはまだ分からないと語った。

 Googleの売上高は前年同期比25%増の325億1200万ドルで、前期同様にAlphabet全体の約99%を占めた。営業利益は17%増の89億5900万ドル。TAC(トラフィック獲得コスト)は23%増。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は58%増加。前期比では15%増だった。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は22%減、前期比では10%減だった。

 主要な広告以外(クラウド、YouTube、Google Play、オリジナルハードウェアなど)からの売上高は37%増の44億2500万ドルだった。クラウドが好調だった。ピチャイ氏は電話会見で、Chromebookの販売台数は175%だったと語った。

 ムーンショット部門のX、Weimo、Google Fiber、Calico、Verily、GV、Google Capital、Loon、Wingなどをまとめた「その他」の売上高は49%増の1億4500万ドル、営業損失は前期より9900万ドル増え、7億3200万ドルだった。

 alpha 2 Googleとその他部門の業績内訳

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