ITmedia NEWS > 製品動向 >
SaaS セレクト with ITreview

暴力団・総会屋・詐欺集団を名刺で見破る! Sansanが新機能“反社チェック”を開発する狙い(2/3 ページ)

» 2019年12月06日 05時00分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 Refinitivは、米Thomson Reutersのファイナンシャル&リスク部門を前身とする企業。保有するデータベースには、世界各国の暴力団やマフィア、総会屋、詐欺師、脱税に関与した企業、人身売買やマネーロンダリングに手を染めている団体――など、多岐にわたる反社会的勢力の情報を収録している。Refinitivはこのデータベースを活用し、顧客企業のリスク管理を支援する事業などを手掛けている。

 データベースの構築に当たっては、AIを活用し、世界中の報道記事や自治体の公表資料の中から反社会的勢力に関する情報を収集。その信ぴょう性を400人超の調査員が検証し、正確だと判断したデータのみ登録している。

photo リフィニティブ・ジャパン ソリューション営業部の石川拓也氏

 日本法人であるリフィニティブ・ジャパンの石川拓也氏(ソリューション営業部)は「地方の小さな詐欺事件や、海外の環境犯罪やマネーロンダリングなどは、日本ではあまり話題にならないかもしれません。ですが、報道や資料に名前が出ていれば調査員がデータベースに入力します。反社会的勢力が社名・団体名を変えたとの記事や発表があれば、その旨も入力し、情報の質を高めています」と自信を見せる。

 Sansanは反社チェック機能を構築する上で、この強力なデータベースを利用する考えだ。完成後の利用の流れは、(1)ユーザーが読み取った名刺情報をRefinitivのデータベースと照合する、(2)リスクの有無を判定する、(3)反社会的勢力に該当する場合は、ユーザー企業のコンプライアンス担当者や事業部責任者に通知を送る――といったものを想定している。

“反社リスト”の生成機能も

 反社会的勢力だと判断した企業のリストを生成できる機能も設ける予定だ。ユーザー企業のコンプライアンス担当者はリストを参照しながら、取引を中止するか否かの最終判断につなげられる。リストの内容は機密性が高いため、閲覧・編集の権限を設定できる機能も採り入れる方針だ。

 担当が取引しない旨を確定すると、Sansan内の企業ページに「取引不可」とのマークが表示され、ユーザー企業の全社員が確認できるようになる。仮に、営業担当者などが再びリスクある企業の名刺を入手した場合は、名刺をスキャンした時点で「取引ができません」といったアラートを送る機能も実装するという。

photo 反社チェックに引っ掛かった企業には「取引不可」のマークを表示する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.