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気象データから生成「サイバー和菓子」、電通など開発 3Dプリンタで印刷、風速・気圧・気温を反映

» 2020年02月17日 18時07分 公開
[ITmedia]

 電通は2月17日、過去や未来の気象データを基に、3Dプリンタで成形した和菓子「サイバー和菓子」を発表した。独自のアルゴリズムを活用して、風速・気圧・気温などのデータから和菓子の形や色をデザインし、3Dプリンタ(フードプリンタ)で出力する。2月29日〜3月29日まで、六本木ヒルズのレストラン「THE MOON」で提供する。

【追記:2020年2月28日午後12時15分 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月29日から森ビルが臨時休館となり、サイバー和菓子の提供も延期となりました。】

photo 風速・気圧・気温などのデータを基に作られる「サイバー和菓子」

 風速の強弱、気圧や温度の高低差などのデータを用いる。風速が強いほど和菓子表面の凹凸が細かく、気圧が高いほどサイズが高くなり、気温の高低で色が変化するという。アルゴリズムによって導いたデザインを基に、3Dプリンタで和菓子を作り出す。

photo 左から100年後の最も暑い日と、観測史上最も寒い日(1876年1月13日)の和菓子
photo 3Dプリンタで和菓子を成形

 レストランでは「高気圧」と「低気圧」の2種類を販売。いずれも抹茶と最中付きで、価格は3000円(税別)。20日以降、電話予約を受け付ける(完全予約制)。

photo レストランで提供する和菓子「高気圧」と「低気圧」

 制作背景について、電通は「気候変動や都市生活により、かつてのように四季を感じられなくなる今、和菓子を通じて、当日の東京の『空』を見て、食べて、楽しんでほしい」としている。

 電通の社内プロジェクト「OPEN MEALS」(オープンミールズ)が企画した。電通の他、武蔵エンジニアリング、京都造形芸術大学が3Dプリンタの開発や外装デザインを担当。島津ビジネスシステムズが気象データの活用をサポートし、さくらインターネットがデータを取り扱う環境を構築した。

 今後は3Dプリンタの成形技術を検証し、別のプロジェクトに応用する他、さまざまなパートナー企業と新しい技術を確立し、プロジェクトを推進するとしている。

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