電気自動車でピークシフト促進、V2Hシステムを北九州市に無償提供蓄電・発電機器

日産自動車は北九州市に、電気自動車「リーフ」とリーフに充電した電力を住宅で利用可能にする「EVパワーステーション」を無償で50セット提供する。厳しい節電目標値を課されている九州電力管内こそ、電気自動車によるピークシフトの効果が大きく現れるかもしれない。

» 2012年07月09日 15時38分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 日産自動車は2012年7月9日、同社の電気自動車「リーフ」と、電気自動車に充電した電力を住宅などでも利用可能にする「EVパワーステーション」のセット(V2Hシステム)を北九州市に無償で提供すると発表した(図1)。7月3日に同社は大阪市と大阪府に同様のシステムを無償提供することを発表しているが、今回の取り組みはそれに続くものだ。

 複数の公共施設に提供するほか、北九州市在住の個人や企業に合計で50セット提供する。募集期間は2012年7月9日の12:00〜7月22日の18:00まで。申込先は「日産リーフで節電アクション」事務局。応募多数の場合は抽選で提供先を決める。

 リーフは2013年3月末までの無償貸与とし、EVパワーステーションは無償提供。厳しい節電目標値を課されている九州電力管内に電気自動車とEVパワーステーションを提供し、電気自動車に充電した電力を有効活用してもらうことで、ピークシフトに協力する。

LEAF to Home 図1 電気自動車リーフと、EVパワーステーションと住宅を接続したイメージ図

 九州電力管内では、電力供給量が不足する可能性が高いと言われている。政府による節電要請期間が始まって1週間もたたずに供給量に対する最大需要が90%を超えるなど、今後を心配する声が多い。最悪の場合、計画停電や突然の大規模停電という可能性もわずかながらある。

 突然の停電の可能性を考えると、リーフとEVパワーステーションを住宅に設置する意味は大きい。リーフが搭載する蓄電池は蓄電容量が24kWh。これは、一般家庭で消費する電力量の2日分に相当する。計画停電や突然の停電がやってきたとしても、復旧までリーフに充電した電力でしのげる可能性は高い。

 同社は現在、関西電力、九州電力両社の管内にある複数の自治体に、リーフとEVパワーステーションの無償提供を提案しているという。

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