天然ガス発電所で110MW、新電力の日本テクノが千葉で運転開始電力供給サービス

発電能力がMW(メガワット)級の太陽光発電所の建設が相次いでいるが、それを大幅に上回る規模の天然ガス発電所が千葉県で運転を開始した。新電力の日本テクノが建設したもので、14基のガスエンジンを使って110MWの電力を生み出すことができる。

» 2012年08月17日 07時13分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 この天然ガス発電所は千葉県の袖ケ浦市に完成した「日本テクノ袖ヶ浦グリーンパワー」である。7月2日に7基のガスエンジンで発電を開始し、8月16日からさらに7基のガスエンジンが加わって14基でフル稼働に入った(図1)。

図1 「日本テクノ袖ヶ浦グリーンパワー」のガスエンジンによる発電設備

 発電設備には川崎重工が開発した「カワサキグリーンガスエンジン」を採用しており、1基あたり7.8MW(メガワット)の発電能力をもつ。このガスエンジンは発電効率が49%と通常の火力発電が40%程度であるのと比べて高く、しかも有害な窒素酸化物の排出量も少ないという。太陽光発電所のように天候に左右されない安定性も利点のひとつだ。

 日本テクノは企業向けに電力を販売する「新電力」(正式名称「特定規模電気事業者」)として、2009年から東京電力管内で電力の小売り事業を開始した。これまでは大規模な発電設備を自社で保有せずに企業の余剰電力などを購入して販売してきたが、今後さらに小売り事業を拡大できるとみて天然ガス発電所の運営に乗り出した。

 一般の電力会社の火力発電所は平均800MW程度の発電能力があり、それと比べると日本テクノの天然ガス発電所は110MWと低めだが、民間企業の発電設備としてはかなり規模が大きい。このところ建設計画が相次いでいる太陽光発電所は数MW程度の規模が大半で、計画中のものでも京セラが鹿児島に建設する70MWが最大である。

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