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» 2012年11月27日 16時00分 UPDATE

法制度・規制:わずかに前進した「グリーン政策」、成長シナリオは依然見えず

我が国のグリーンエネルギー拡大に向けたロードマップを示す「グリーン政策大綱」の骨子が発表された。政府が9月にまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」に即した内容で、目新しい点は少なく、2030年に向けた成長シナリオは具体的に見えていない。

[石田雅也,スマートジャパン]

 2030年の国のエネルギー供給体制に関する基本方針をまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の発表から約2か月が経過した。戦略の具体案として省エネルギーと再生可能エネルギーに関する実現スケジュールを盛り込んだ「グリーン政策大綱」を2012年末までに策定することを政府は表明しており、その骨子が発表された。

 これまでに経済産業省や環境省など関連省庁が検討してきた施策を5つの分野に整理した形で、さほど目新しい内容は見当たらない(図1)。各分野で2020年度あるいは2030年度の目標を掲げているものの、達成に向けた具体的なシナリオは示されておらず、今後の検討にゆだねる格好だ。

greenpolicy2.jpg 図1 グリーンエネルギー拡大に向けた5つの重点分野。出典:国家戦略室

 例えば重点分野の第1に位置づけられている再生可能エネルギーに関しては、目標のひとつとして2020年度までにバイオマスの利用量を約2600万トンに増やすことを盛り込んでいる。そのためにバイオマス活用推進計画を策定する市町村を全国600か所に増やす方針だ。これは9月に農林水産省などがまとめた「バイオマス事業化戦略」で定めたものである。

 一方で環境省が8月に発表した「グリーン成長イニシアチブ」の中では、バイオマスによる発電規模を2030年度に600万kWへ、2010年度の実績240万kWから2.5倍に拡大する目標を掲げている。この2種類の目標をどう組み合わせて今後のバイオマス利用を拡大するのかなど、詰め切れていない点が数多く見られる。

 今回の発表資料に加えられた数値目標のうち目新しいものとしては、発電方式別のコストがある。原子力や火力に加えて、風力・地熱・太陽光の3種類の再生可能エネルギーに関して、2010年と2030年の発電コストの見通しが示された(図2)。

 それぞれの再生可能エネルギーの発電コストが予測範囲の下限に収まれば、原子力や火力と同等のレベルになる。発電コストが最も高い太陽光も2030年には2010年の1/2〜1/3程度にまでコストが下がると推定している。再生可能エネルギーはコストの高さが問題視されているだけに、導入量を拡大するシナリオと同時にコスト削減を実現するためのシナリオづくりが早期に求められる。

greenpolicy1.jpg 図2 発電方式別のコスト見通し。出典:国家戦略室

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