業界初、200万円で買えるエネファーム蓄電・発電機器

東京ガスとパナソニックは、家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品を共同開発し、2013年4月から発売すると発表した。最大の特徴は価格。現行品に比べておよそ76万円も安い199万5000円(税込)と、業界で初めて200万円を切った。

» 2013年01月21日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 新製品は従来製品に比べて部品点数を約20%削減したほか、水素を反応させて発電する「スタック」や、ガスから水素を取り出す「改質器」の材料を見直し、大幅な値下げに成功した。

 本体価格が199万5000円(税込)となったが、2012年度のエネファーム補助金は本体価格から23万円を引いた額を2で除算するということになっている(このほかに工事費の補助も受けられる)。この式に当てはめると、本体だけで88万2500円の補助を受けられる。補助金を利用すれば、購入者の実質負担額は111万2500円となる。

 値下げに成功しただけでなく、性能向上も果たした。スタックや改質器の改良のほか、発電時に発生する熱を運ぶ経路の断熱性能を上げて排熱回収効果を高めた。その結果、燃料電池としての総合効率は95%に達した。この値は世界一の値になるという。ちなみに、従来機の総合効率は90%だ。

 設置しやすくなったことも大きな特長だ。燃料電池ユニットと一体になっている貯湯ユニット(加熱する水を貯めるところ)から、「バックアップ熱源機」を分離し、外付けとした。バックアップ熱源機とは貯湯ユニットで沸かしたお湯が冷めた時に、電気の力で再加熱する機器だ。

図1 従来製品(右)と新製品(左)の違い。燃料電池ユニットと貯湯ユニットが一体になった本体がやや小さくなり、バックアップ熱源機を外付けとした。出典:東京ガス

 この結果、設置スペースの奥行きを従来品の900mmから750mmに縮小できた。外付けにしたバックアップ熱源機は本体に隣接させる必要はなく、ある程度離して設置できる。従来製品は巨大な1台の機器を設置することになるため、ある程度広い面積を用意する必要があったが、新製品では本体設置スペースが狭くなり、バックアップ熱源機は少し離れた場所にも設置できるので、設置しやすくなった。

 このほか、スタック内部の改良で寿命を現行製品の20%増となる6万時間としたほか、発電出力の加減を250Wから200Wに下げたことで、電力需要が少ない場面にも活躍の場が広がった。

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