ガスを利用して発電しながらお湯を沸かすエネファームの普及が進んでいる。ただし、従来のエネファームは停電時は事実上使えないという問題があった。大阪ガスは停電時も使えるエネファームを開発し、発売する。
大阪ガスは2012年7月17日から、家庭用燃料電池(エネファーム)の新製品を発売する(図1)。価格は280万3500円(税込)。今回の新製品の特徴は停電時も運転を続けられるという点。大阪ガス、東芝燃料電池システム、長府製作所の3社で共同開発した。
エネファームは、ガスから取り出した水素を酸素と反応させて発電するが、反応させる時には多少の電力が必要になる。従来のエネファームは、電力会社からの電力を利用して水素と酸素を反応させていたが、この方式では停電すると使えなくなってしまう。家庭用蓄電池を利用して運転を続けるという方法もあるが、導入コストがかなり上昇してしまう。
今回の新製品では、停電を検知して、エネファームが発電した電力の一部を、エネファームに流す「自動電源切替器」を用意した。停電したとしても、切替器が検知し、発電に必要な電力をエネファームに供給するので、発電を続けられる。
ただし、停電時に運転させた時の出力は350Wに限られる。住宅内に用意した専用コンセントからのみ電力を供給する。ちなみに、通常運転時の出力は250〜700W。
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