太陽光発電の補助金が前年比24%の伸び、トップは愛知、急増する大阪と茨城法制度・規制

国が2009年から実施している住宅用の太陽光発電システムに対する補助金の申請件数が伸びている。2012年は前年比で24%も増えて、全国で32万件以上の申請があった。最も多かった愛知県で2万件を超えたほか、大阪府が前年比40%増、茨城県が60%増の大幅な伸びを見せた。

» 2013年02月20日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 住宅用の太陽光発電システムに対する補助金は国や地方自治体による制度があり、いずれも申請件数が順調に伸びている。このうち国が実施する補助金は出力1kWあたり3万〜3万5000円を支給するもので、特に2012年に入ってから申請件数の増加が著しい。

 補助金を運営する太陽光発電普及拡大センターがまとめた最新の集計結果によると、2012年1月〜12月の申請件数は32万件を超えて、2011年から24%も増加した(図1)。7月から始まった固定価格買取制度の影響が大きいとみられる。

図1 住宅用太陽光発電システムの補助金申請件数(太陽光発電普及拡大センターが集計した都道府県別のデータから)

 都道府県別に見ると、愛知県が他を大きく引き離して、制度を開始した2009年からトップを続けている。県のほぼ全域で日照時間が長く、太陽光発電に適していることが大きな要因だ。全住宅数に占める補助金の利用率も2%を超えた。50戸に1戸以上の住宅で国の補助金による太陽光発電システムが設置されている。

 申請件数の2位は埼玉県で、続いて東京都、神奈川県と首都圏が上位に並ぶ中、2012年に急増したのが大阪府と茨城県である。大阪府は面積が小さいこともあって申請件数が少なめだったが、2012年は前年比で40%も増えた。東京都に次いで住宅数が全国で2番目に多く、今後も大幅な伸びが予想される。

 茨城県は2009年からの累計件数では全国で13番目だが、2012年は前年比で60%と大きく伸びてトップ10に入った。住宅数あたりの利用率は2%を超えて、愛知県と同じ水準まで上昇した。このほか補助金の利用率が最も高いのは静岡県の2.4%で、愛知県と同様に太平洋に面して長い日照時間に恵まれていることが太陽光発電システムの導入を促進している。

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