全国で賃貸住宅の開発・管理を手がけるUR都市機構(旧・日本住宅公団)が1500棟の屋上に太陽光発電システムを設置するプロジェクトを推進中だ。第1弾は東京都の町田市にある25棟が対象で、メガソーラー並みに880kWの発電が可能になる。
UR都市機構は全国で管理する賃貸住宅のうち、構造や日照条件などが適した約1500棟を対象に、屋上に太陽光パネルを設置していく。合計すると23万平方メートルの設置スペースがあり、全棟で35MW(メガワット)の発電規模になる。
計画の第1号は東京都の町田市にある「ニュータウン小山田桜台」の25棟で実施する(図1)。このほど発電事業者が三菱地所グループの「メックecoライフ」に決まり、約8200平方メートルのスペースに880kW分の太陽光パネルを設置することが確定した。
2013年秋に工事を開始して、2014年1月から発電を開始する予定だ。ニュータウン小山田桜台には487戸の住宅がある。880kWの太陽光発電システムの年間発電量は約180世帯分の電力使用量に相当する。
発電した電力は固定価格買取制度で電気事業者に売電するが、災害時などで停電になった場合に備えて、各棟の太陽光発電システムに自立運転コンセントを設置して、居住者の非常用電源としても使えるようにする。UR都市機構は発電事業者との賃貸借契約の中に、この条件を盛り込む(図2)。
UR都市機構は毎年100棟のペースで、今後15年間かけて1500棟に拡大する計画を進めていく。賃貸住宅では定期的に屋根の断熱防水改修工事を実施する必要があり、その機会に太陽光パネルを設置する方針だ。
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