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» 2013年04月03日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:年間6400万円の導入効果、下水処理場のバイオマス発電

固定価格買取制度で初めて下水処理場のバイオマス発電が認定された。栃木県の下水道浄化センターが下水の汚泥から発生するメタンガスを利用して発電するもので、2014年度末から運転を開始する。20年間の買取期間を通じて毎年6400万円の利益を生み出せる見込みだ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 バイオマス発電の買取価格は原材料によって5つに分かれていて、最も高いのが「メタン発酵ガス化バイオマス」の40.95円/kWhである(図1)。ガス化バイオマスには下水汚泥と家畜糞尿の2種類があり、このうち下水汚泥を使った発電設備としては全国で初めて、栃木県の「鬼怒川上流流域下水道県央浄化センター」が3月29日に認定を受けた。

kaitorikakaku_biomas.jpg 図1 バイオマスによる電力の買取価格。出典:資源エネルギー庁

 この発電設備は下水の汚泥を処理する過程で発生するメタンなどのバイオガスを利用する。原理は家庭用の「エネファーム」と同様にガスから水素を取り出して、空気中の酸素と反応させて電気を発生させる方法だ(図2)。いわゆる燃料電池を使った発電設備である。

tochigi1.jpg 図2 バイオガスによる燃料電池発電機の仕組み。出典:栃木県県土整備部

 浄化センターでは年間に130万立方メートルのバイオガスが発生する。これを利用して3台の発電機で合計315kWの電力を作り出すことができる。年間の発電量は252万kWhになり、売電収入は1億円強を見込む。これに対して建設費は4億円で、維持管理費などを考慮しても年間に6400万円の利益が出る(図3)。

tochigi2.jpg 図3 バイオマス発電の事業効果。出典:栃木県県土整備部

 これから建設工事を開始して、2014年度末までに発電を開始する予定だ。売電による利益によって浄化センターの維持管理費の低減につなげる。栃木県内には鬼怒川や渡良瀬川の流域などに合計7か所の下水道浄化センターがあり、同様のバイオマス発電設備を順次導入して費用の削減を図っていく。

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