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» 2013年05月23日 09時00分 UPDATE

知らないと損する電気料金の仕組み(3):家庭・商店向けのメニュー 「東日本と西日本で違う」

一般の家庭や商店を対象にした契約メニューは標準的なものだけで2〜3種類ある。月間の使用量によって選ぶのが基本だが、電力会社によってメニューの体系が異なり、東日本と西日本では大きな違いがある。九州を除く西日本では使用量だけで電気料金が決まる仕組みだ。

[石田雅也,スマートジャパン]

連載(1):「基本料金を安くする対策」

連載(2):「単価を安くする対策」

 電力会社が提供する契約メニューのうち、使用量が少なくて済む家庭や商店向けは「電灯」と呼ぶ区分になる(図1)。家庭の場合は使用量をもとに料金を計算する「従量電灯」が一般的だ。この従量電灯にも種類がいくつかあって、料金の計算方法は同じではない。

keiyaku_dentou.jpg 図1 電力会社と結ぶ契約メニューの区分

東日本と九州は「従量電灯B」が標準

 従量電灯のメニューは電力会社によって2種類か3種類に分かれている。3種類を用意している九州電力を例に違いを見てみよう。従量電灯のメニューはA、B、Cの3種類があって、このうち一般の家庭で選ぶのは「従量電灯B」である(図2)。北海道から中部・北陸までの東日本の各地域でも同じ体系だ。

dentou_kyushu.jpg 図2 家庭・商店向けの契約メニューと料金(九州電力の例)。出典:九州電力

 従量電灯Bの基本料金は各家庭に設置したブレーカーの容量(アンペア)によって決まる。最低10アンペアから最高60アンペアまで7種類のブレーカーがある(図3)。それぞれ色の違いで見分けがつくようになっているが、電力会社によって色の使い方が統一されていない点は要注意である。

breaker_toden.jpg 図3 ブレーカーの種類と基本料金(東京電力の例)。出典:東京電力

 基本料金に上乗せする電力量料金の単価は月間の使用量に応じて3段階になっていて、電力を多く使うほど単価が上がっていく。標準的な家庭が月間に使用する電力量は300kWh程度で、それを境に3段目の高い単価が適用される(図4)。家庭では月間に300kWhを超えないようにすることが電気料金を抑えるための目安である(北海道は280kWh)。

dentou_toden.jpg 図4 「従量電灯B」の電力量料金の単価(東京電力の例)。出典:東京電力

 残る2つのメニューのうち、従量電灯Aは使用量が少ない用途に適していて、例えばアパートの共用部分にある照明などが対象になる。従量電灯Bよりも小さい5アンペア以下が条件になるため、用途は限られる。

 もう1つの従量電灯Cは家庭よりも使用量が多い商店が主な対象だ。契約電力は最大50kVA(電圧が100ボルトの場合で500アンペア)まで可能である。基本料金は契約電力1kVAごとに積み上げる方法で、使用する電気機器の容量を合計して計算する。

 この容量は機器の効率に応じて換算するため、古くて効率の悪い電気機器が多いと契約電力は大きくなってしまう。さらに電力使用量も増えて、基本料金と電力量料金の双方を押し上げる結果になる。従量電灯Cで契約している場合には、電気機器を定期的に新しい製品に買い替えることが望ましい。

ブレーカーを使わない西日本は基本料金なし

 東日本と九州では電力会社が家庭にブレーカーを設置して、各家庭で使える電力の上限を決めている。これに対して関西・中国・四国・沖縄の西日本4地域ではブレーカーを設置しないのが通例だ。従量電灯は2種類しかなく、家庭向けは「従量電灯A」、商店向けは「従量電灯B」が標準的である(沖縄は「従量電灯」の1種類だけ)。こうした東西による契約メニューの違いは今後の小売自由化に向けて大きな課題と言える。

 西日本の家庭で一般的に使われている従量電灯Aの場合、基本料金がない。最低料金が設定されているだけで、使用量による電力量料金が大半を占めることになる。例えば関西電力を例にとると、月間で15kWhまでの電力を最低料金の334円で使える。それ以上は東日本と同様に3段階の電力量料金を適用する。

 西日本では基本料金がない代わりに、電力量料金の1段目の単価が東日本よりも高めだ。ただし標準的な家庭の月間使用量300kWhで比較してみると、東西による電気料金の差はほとんどない(図5)。それよりも電力会社ごとの違いが大きい。

dentou_hikaku.jpg 図5 電力会社別の標準的な契約メニューの料金

 標準家庭のモデル料金が一番高いのは、メニューが1種類しかない沖縄電力である。電力量料金の1段目と2段目の単価が全国の最高額になっているからだ。3段目が最も高いのは関西電力である。関西電力管内の家庭では、毎月の使用量が300kWhを超えると料金が割高になっていく。

 東日本では北海道電力が2013年9月の値上げ後に、東京電力を上回って最も高くなる。さらに沖縄電力も抜いて全国で一番高い地域になる。特に使用量が増える冬の電気料金が悩ましい。一方で値上げを表明していない中部電力と北陸電力は現在でも他社より安い。この傾向は企業向けの契約メニューでも同様だ。

連載(4):「店舗・工場向けのメニュー」

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