風車の落下事故から3カ月で運転再開、18基を順次稼働へ自然エネルギー

4月7日に大型風車の破損・落下事故が発生してから停止していた三重県の「ウインドパーク笠取発電所」が部分的に運転を開始した。事故機を除く18基に再発防止策を講じたうえで、まず1基を7月9日から稼働させ、安全性を確認しながら順次18基の運転を再開する予定だ。

» 2013年07月19日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 「ウインドパーク笠取発電所」を運営する中部電力グループのシーテックが、地元の自治体などに再発防止策を説明して理解を得たうえで運転を再開した。ウインドパーク笠取は三重県の津市と伊賀市にまたがる青山高原に出力2MW(メガワット)の大型風車19機を配置した大規模な風力発電所である(図1)。

 4月7日の午後に毎秒40メートルを超える強風を受けて19号機の風車が破損・落下する事故が発生して以来、全面的に運転を停止して、事故原因の究明と再発防止策の検討を進めてきた。事故を起こした19号機を除く18基の風車すべてに再発防止策を実施して、7月9日に11号機から運転を再開した。

図1 「ウインドパーク笠取発電所」の配置。出典:シーテック

 ウインドパーク笠取は1〜10号機が2010年2月に、11〜19号機が同年12月に運転を開始した経緯がある。事故機の19号機を含めて2期目に稼働させた9基の風車の部品に強度の問題があったことが判明している。シーテックは4月中に部品の交換を済ませて、安全性の確認を進めてきた。運転を再開した11号機も部品に問題があった2期目の風車のひとつである。

 シーテックは今後の運転計画を公表していないが、年内には18基すべてを稼働させるものとみられる。ウインドパーク笠取の運転を再開できたことで、新たな開発プロジェクトにも着手する見込みだ。

 中部電力グループで再生可能エネルギー事業を担当するシーテックは、三重県の青山高原でウインドパーク笠取を含む3つの風力発電所を運営しているほか、愛知県の田原市に三井化学などと共同で発電能力50MWの大規模なメガソーラーの建設を進めている。 田原市のメガソーラーには6MWの風力発電設備を併設して、2014年10月から稼働させる計画である。

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