日本最大の風力発電所に180億円融資、2016年度に80MW稼働へ自然エネルギー

三重県の青山高原で建設計画が進む日本最大の風力発電所に対して、政府系の日本政策投資銀行が中心になって180億円を融資することが決まった。計画では発電能力が2MWの大型風車を40基建設して、現時点で日本最大の「新出雲ウインドファーム」の78MWを超える。

» 2013年04月02日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 青山高原の所在地。出典:青山高原ウィンドファーム

 青山高原は三重県と奈良県にまたがる「室生赤目青山国定公園」の一角を占める広大な丘陵で(図1)、すでに大規模な風力発電所が4か所で稼働している。そのうちの1つを運営する「青山高原ウィンドファーム」が新たに40基の発電設備を増設して80MW(メガワット)の風力発電所を建設する計画が本格的に進んできた。

 この新プロジェクトに対して、政府系の日本政策投資銀行を中心に6銀行が協調して180億円を融資する。協調融資に参画するのは地元の百五銀行、第三銀行、大垣共立銀行、三重銀行、愛知銀行の5行で、国と地域を挙げてバックアップする体制になった。

 現在の青山高原ウィンドファームは2003年に15MWの発電能力で運転を開始した(図2)。増設分を加えると合計95MWになり、島根県で稼働中の「新出雲ウインドファーム」(78MW)を抜いて日本最大の風力発電所になる見込みだ。新たに増設する40基のうち、18基を2年後の2015年度に、残る22基を2016年度に稼働させる予定である。

図2 青山高原に広がる風力発電設備。出典:青山高原ウィンドファーム

 同じ青山高原では中部電力グループの「シーテック」が3つの風力発電所を運営していて、すでに合計で57MWの発電規模に拡大している。青山高原ウィンドファームは津市、伊賀市、シーテックの三者が共同で出資する風力発電事業の専門会社である。地元の自治体と中部電力グループで青山高原一帯に90基を超える大型風車を展開することになる。

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