大阪の最南端に10MWのメガソーラー、関空の工事跡地を利用自然エネルギー

関西国際空港の「材料」を採取した跡地がメガソーラーに生まれ変わった。シャープに続き、ユーラスエナジーホールディングスが出力10MWの発電所を完成、2013年9月から運転を開始した。

» 2013年09月06日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 大阪府岬町とメガソーラーの位置。図中央の2つ並ぶ「島」は関西国際空港

 海上に立地する関西国際空港の工事に使われた跡地を利用したメガソーラー「岬太陽光発電所」(大阪府岬町)が完成した(図1)。事業を立ち上げたのは風力発電所を中心に再生可能エネルギー事業に取り組むユーラスエナジーホールディングス。同社の国内初のメガソーラーだという。約40億円を投じた。

 関西国際空港二期事業の土砂採取・供給工事の跡地を整備した「岬町多奈川地区多目的公園(いきいきパークみさき)」に立地する。「公園」と呼ぶものの、当初から広場や水路、緑地以外に民間の事業進出用に事業活動ゾーンを3カ所用意している。岬太陽光発電所の土地は、事業活動ゾーン44haのうち、20.2haを事業主体のユーラスエナジー岬が岬町と賃貸借契約を結んで使用したものだ(図2)。同社はユーラスエナジーホールディングスの子会社。

図2 公園内の区画配置。赤い網掛け部分が今回の立地。出典:大阪府

 関西電力グループのきんでんに発電所の建設を依頼、2012年11月に工事を開始している。単結晶Si(シリコン)太陽電池モジュールを約5万1000枚設置した(図3)。太陽光発電所は2つの部分に分かれており、1つは三菱電機のモジュールを、もう1つは韓国現代重工業のモジュールを採用した。

 太陽電池モジュールの直流出力は13MW、発電所からの交流出力は10MW、年間4000世帯の消費電力量をまかなうだけの発電量を予測している。これは岬町の総世帯数の約半分に相当する量だ。固定価格買取制度(FIT)を利用して関西電力に売電する。

 なお、図3の手前に見える色の濃い太陽電池モジュールは「シャープ多奈川太陽光発電所」(約2.7MW)であり、今回の発電所とは異なる。

図3 岬太陽光発電所の外観。出典:ユーラスエナジーホールディングス

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