札幌市が今冬7.8%の節電に挑む、市内で大キャンペーンを展開スマートシティ

今年の冬も北海道だけは節電目標が設定された。夕方から夜にかけてのピーク時間帯に6%以上の電力を削減するよう政府と北海道電力が要請を出した。それを受けて札幌市は市有施設で7.8%の需要削減に取り組むほか、市民を巻き込んだキャンペーンを大々的に展開する。

» 2013年11月28日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 北海道民にとって冬の電力は特別に貴重だ。原子力発電所が稼働しなくても、節電対策を徹底すれば、厳しい冬を乗り切れることは過去2年間に実証できた。今年の冬も節電目標「6%以上」を達成するための取り組みが12月2日(月)から本格的に始まる。

 道内で最大の電力消費地である札幌市が率先して節電対策を進める。市民を巻き込んだ活動のひとつが「さっぽろ節電大キャンペーン2013冬」である(図1)。今夏にも実施して3万人以上が参加したプロジェクトで、電力の使用量を削減した家庭に賞品を提供する。賞品にはLEDシーリングライトや北海道産の高級米などが用意されている。

図1 「さっぽろ節電大キャンペーン2013冬」のポスター。出典:札幌市環境局

 このほかに、札幌市内の店舗でLED照明を6000円以上購入すると、2000円分の電子マネー(札幌圏の交通機関などで利用できるICカードの「SAPICA」)を支給する制度も実施中だ。9月から北海道電力が電気料金を値上げしたこともあり、昨年以上に市民の節電意欲が高まることは確実な状況にある。

 同時に自治体の節電対策を強化する。市庁舎などの照明や空調の節電に加えて、電力需要の大きい交通インフラや学校の節電率を高める計画だ(図2)。ロードヒーティングの節電対象も9カ所増やして35カ所に拡大する。

 こうした取り組みを通して12月〜2月の電力需要を震災前の2010年度比で7.8%削減する目標を掲げた。前年度は7.3%の目標に対して8.5%の実績を上げており、今冬も目標以上の削減率を目指す。

図2 札幌市の市有施設における節電対策と目標。出典:札幌市環境局

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.