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» 2014年03月04日 15時00分 UPDATE

電力供給サービス:高効率のガス火力発電所が関西と中部にも、供給力の増加と燃料費の低減へ

燃料費の増加に苦しむ電力会社がガス火力発電の拡大を急ぐ。関西電力は「姫路第二発電所」の設備を最新のコンバインドサイクル方式に更新中で、発電効率を42%から60%へ引き上げる。中部電力は石油火力の「西名古屋火力発電所」を同様に高効率のガス火力へ転換する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 関西電力は運転開始から40年以上を経過した「姫路第二発電所」のガス火力発電設備を2015年6月までにコンバインドサイクル方式に更新する計画を進めている(図1)。全部で6基あるうちの1〜3号機は更新を完了していて、新たに4号機も予定を2カ月早めて2014年3月1日に試運転を開始した。9月から営業運転へ移行する予定だ。

kanden_himeji2_sj.jpg 図1 「姫路第二発電所」の設備更新計画。出典:関西電力

 6基の新設備すべてが営業運転を開始すると、供給力が255万kWから292万kWへ大幅に増加する。発電効率が従来の42%から60%へ高まることにより、燃料のガスが少なくて済むのと同時に、CO2排出量も低減する。燃料とCO2排出量ともに3割程度の削減が見込まれる。

 関西電力の火力発電所は現在9カ所が運転中で、石油を燃料にした設備が4カ所、石炭が1カ所、残る4カ所がガス火力だ(図2)。ガス火力では「堺港発電所」の5基と「姫路第一発電所」の2基がコンバインドサイクル方式を採用している。今後さらに石油火力からガスコンバインドサイクルへ転換を進めていく必要がある。

kanden_karyoku_sj.jpg 図2 関西電力の火力発電所と所在地。出典:関西電力

 中部電力も石油からガスへの移行を急いでいる。石油火力の「西名古屋火力発電所」の設備を2基のガスコンバインドサイクル方式に更新する。これにより供給力が119万kWから231万kWへ2倍近くに増強する見込みだ。発電効率は関西電力の姫路第二を上回る62%に達して、国内の火力発電所では最高水準になる。

 従来の石油火力発電設備は2013年11月に運転を停止していて、新設備の建設工事を2014年1月に開始した。2基のうち1号機を2017年9月、2号機を2018年3月に営業運転の予定だが、関西電力と同様に前倒しで稼働させる可能性が高まっている。

chuden_nishinagoya_sj.jpg 図3 「西名古屋火力発電所」の新設備。出典:中部電力

 中部電力の火力発電所は全部で11カ所ある(図4)。このうちガス火力が6カ所と半分以上を占めていて、電力会社10社の中では東京電力と並んでガスの比率が高い。それでも燃料費が高い石油火力は西名古屋のほかにも3カ所に残っている。遅くとも2020年代の前半までに高効率のガス火力か石炭火力へ転換を迫られることは必至だ。

chuden_karyoku_sj.jpg 図4 中部電力の火力発電所と所在地。出典:中部電力

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