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» 2014年04月15日 09時00分 UPDATE

エネルギー列島2014年版(1)北海道:太陽光発電で全国1位に躍進、日射量が豊富な地域に日本最大のメガソーラー

固定価格買取制度が始まって以来、北海道には他県を圧倒する規模の発電プロジェクトが集まっている。広大な土地を利用したメガソーラーの開発計画が相次ぎ、発電能力は2000MW(メガワット)を超えた。2015年には日本で最大のメガソーラーが太平洋岸に近い安平町で稼働する。

[石田雅也,スマートジャパン]
abira.jpg 図1 安平町の位置。出典:安平町役場

 北海道の中で特にメガソーラーの建設計画が集中する地域がある。札幌から南へ50キロメートルほど離れた苫小牧(とまこまい)の周辺だ。太平洋岸にあって日射量が豊富なうえに、工業地帯が広がっていて電力需要は大きい。メガソーラーの立地条件で重要な送配電網も問題なく整備されている。

 苫小牧市に隣接して、人口9000人弱の安平町(あびらちょう)がある(図1)。この町の一角を占める166万平方メートルの広大な土地に、日本で最大のメガソーラーを建設する計画が進んでいる。ソフトバンクグループのSBエナジーと三井物産が共同で開発する「ソフトバンク苫東安平(とまとうあびら)ソーラーパーク」だ。

 東西に約1キロ、南北に約2キロメートルの敷地を生かして、発電能力は111MW(メガワット)に達する(図2)。2015年末までに運転を開始する予定で、年間の発電量は1億kWhを超える見込みだ。一般家庭で3万世帯分の電力使用量に相当する規模になり、安平町の総世帯数(約4200世帯)の7倍の供給力を発揮する。

tomatouabira.jpg 図2 「ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク」の完成イメージ。出典:SBエナジー、三井物産

 土地の所有者は第3セクターの「苫東」で、苫小牧港から東側の地域を開発するために国や北海道などが出資して設立した。当初は日本でも有数の工業地帯を開発する計画だったが、バブル崩壊などによって事業環境が変わり、現在は自然と共生できる産業・技術拠点づくりを進めている。その一環で遊休地にメガソーラーを誘致した。

 すでに苫小牧港の近くでは、工場の跡地を利用したメガソーラーが稼働し始めている。現時点で最大の規模は2014年4月1日に運転を開始した「三井不動産苫小牧太陽光発電所」である(図3)。発電能力は23MWで、一般家庭6600世帯分の電力を供給することができる。三井不動産が素材メーカー2社の遊休地を借り受けて建設した。

tomakomai.jpg 図3 「三井不動産苫小牧太陽光発電所」の全景。出典:三井不動産

 北海道には日射量の豊富な地域が広く分布している。苫小牧を含む南部から東部にかけては、年間の平均日射量が東京をはじめ本州や九州の主要都市を上回る(図4)。加えて気温が低いために、太陽電池の温度上昇による発電効率の低下も起きにくい。東部では送配電網が十分に整備されていない問題が残るものの、その点をクリアできれば、大規模なメガソーラーを建設する条件がそろう。

hokkaido_solar.jpg 図4 北海道の年間平均日射量。出典:北海道庁経済部

 実際に固定価格買取制度で認定を受けた発電設備の規模では、北海道が他県を大きく引き離して全国で第1位である(図5)。そのうち3分の2をメガソーラーが占めている。まだ運転を開始していない発電設備が多いが、すべてが稼働すれば北海道の242万世帯の4割近くをカバーできる発電量になる。

ranking2014_hokkaido.jpg 図5 固定価格買取制度の認定設備(2013年12月末時点)

*電子ブックレット「エネルギー列島2014年版 −北海道・東北編 Part1−」をダウンロード

2016年版(1)北海道:「再生可能エネルギーの電力を余らせない、風力・小水力・バイオマスで水素を作る」

2015年版(1)北海道:「北の大地が生み出す水力と水素、日本の新たなエネルギー供給基地に」

2013年版(1)北海道:「再生可能エネルギー200%へ、風力を筆頭に太陽光や地熱も」

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