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» 2014年09月17日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:太陽光も「ロボ」の時代、空撮自在・異常検知

ALSOKは2014年10月1日から、飛行ロボット(ドローン)を用いた大規模太陽光発電所向けプレサービスを全国で開始すると発表した。撮影や点検に用いる。飛行ロボットを使わないサービスと比較してコスト抑制が可能だという。料金は1回の当たり20〜30万円。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ALSOKは2014年10月1日から、飛行ロボット(ドローン)を用いた大規模太陽光発電所向けプレサービスを全国で開始すると発表した。撮影や点検に用いる。飛行ロボットを使わないサービスと比較してコスト抑制が可能だという。

 1m×1m×0.4mの正方形状の飛行ロボットを使う。飛行ロボットには3種類のカメラを搭載する。スチルカメラ、動画カメラ(HDカメラ)、サーモカメラ(赤外線カメラ)である(図1)*1)

*1) 同社は複数の空撮ロボットを準備しており、いずれのロボットも本文にある3種類のカメラを備える。「スチルカメラは交換可能であり、必要に応じて解像度を変更できる」(同社)。

yh20140917ALSOK_robot_590px.jpg 図1 飛行ロボットの外観(クリックで拡大) 出典:ALSOK

完成前、完成後、どちらにも役立つ

 飛行ロボットを用いたサービスを提供する理由は2つある。まず、今後ともメガソーラーが増え続けること、次にメガソーラーは広大な敷地に設備が散らばっているため、効率的に維持管理する手法が求められていることだ。

 プレサービスの内容は2つに分かれる。まずは発電所の計画段階、施工段階に役立つサービスだ。計画段階では空撮画像から三次元地形データを作成して用地選定の一次評価に役立てる。施工段階では定期的に空撮を実施し、工事の進捗管理に役立てる他、投資家など関係者への情報公開に利用できるという。

 メガソーラーが運転を開始した後、維持管理に役立つサービスもある。太陽電池モジュールの点検だ。飛行ロボットのスチルカメラとサーモカメラを利用して、異常な発熱源を探す。発電を開始した太陽電池モジュールにはさまざまな理由によって、ホットスポットと呼ばれる異常箇所が生じる場合がある。太陽電池モジュールに落ちにくいゴミが付いたときなどに起こりやすい現象だ。ホットスポットでは電流が多く流れているため、性能が低下し、故障の原因にもなる。

 「プレサービスは、空撮、異常検知とも1回の飛行でデータを取得できる。料金は1回当たり20〜30万円。出力2MWの太陽光発電所では15分の飛行で必要なデータの撮影が終わる」(ALSOK)。

 空撮、太陽電池モジュールの点検のいずれでも、従来のサービスより短時間で実現でき、価格競争力があるという(図2)。航空測量会社に空撮を依頼したり、人手を使ってサーモカメラで1枚ずつ太陽電池モジュールを撮影するよりも素早く安価にサービスを提供する形だ。

yh20140917ALSOK_table_580px.jpg 図2 従来のサービスとの比較 出典:ALSOK

飛行ロボットの役割広がるか

 「全国で1100カ所以上のメガソーラーが稼働しており、そのうち、約半数が警備サービスを導入している。メガソーラーの警備サービスにおける当社のシェアは約70%であり、400カ所弱が当社の遠隔監視サービスを導入している。プレサービスでは当社のサービスを導入済みの企業を対象とする」(ALSOK)。同社のサービスは部外者が誤ってメガソーラーに立ち入ったために起こるケガなどを防ぐためのもの。赤外線カメラなどを用いて遠隔監視を実行し、いざというときには人員が駆け付ける*2)

 「2014年に入り、国内の複数のメガソーラーで実証実験を進めており、試験飛行、ホットスポットの検知などの性能を確かめた」(同社)。空撮画像から施設の維持管理に役立つ情報を取り出せることを確認した形だ。プレサービスを提供開始後、顧客の要望に応じてサービス内容を拡充し、2015年4月から本サービスを開始する予定だ。その後、風力発電や橋梁点検などへとサービスの対象を増やしていくという。

 プレサービスでは飛行ロボットを撮影のためだけに利用している。同社は自立走行型の警備・案内ロボットを開発しており、既に20台を販売した。この技術を飛行ロボットに適用し、警備対象の外周を巡回監視する警備システムの実現も目指すとした。

*2) メガソーラーの企画段階で損保ジャパンと共同でリスクコンサルタントサービスを提供する、安全証明書を発行するといったサービスも提供している。

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