低圧からメガソーラーまで、幅広く利用できる10kWのパワコン蓄電・発電機器

安川電機は容量10kWのパワーコンディショナー「Enewell-SOL 10kW」を2014年9月に発売した。出力10kWから2MWまでの太陽光発電所に向く。

» 2014年10月02日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 安川電機は容量10kWのパワーコンディショナー「Enewell-SOL 10kW」(CEPT-P2AAB010)を2014年9月に発売した(図1)*1)

 「出力10kW〜49.9kWの低圧連系や、出力2MWまでのメガソーラーに向く。49.9kWという構成を作ることができるよう、仕様が同じながら容量9.9kWの機種も用意した。2MWのメガソーラーに適用する場合は200台を並列で設置する」(安川電機)。系統停電時の自立運転機能も備える。変換効率は負荷にかかわらず94%以上だとした。

*1) 入力回路数は7つ。運転可能入力電圧は100〜600V。この範囲内で最大電力点追従制御(MPPT)が動作する。入力許容電流は44A。単相三線出力で出力電圧は202V。2014年12月には、ほぼ同等の仕様を備えた三相タイプの製品を発売する予定。

図1 パワーコンディショナー「Enewell-SOL 10kW」 出典:安川電機

従来機種との違いは小型化や系統連系保護

 同社は2010年8月に出力10kWの「PV1000」を製品化しており、この後継機種に当たる。まず、PV1000と比較して約10%小型化した。メガソーラーなどへの大量設置時に適するという。「新製品の価格は公表していないものの、ユーザーはPV1000よりも安価に入手できる」(同社)。

 容量よりも多くの太陽電池モジュールを接続できることも特徴だという。「晴天の日の正午などはある程度の電力を遮断してしまうことになるものの、それ以外の場面では出力する電力が増えるため、売電に適する」(同社)。

 PV1000では「キーン」というモスキート音を抑えたモデルを標準タイプとは別に高周波音低減タイプとして用意していた。Enewell-SOL 10kWではモスキート音に相当する周波数12kWHz以上の騒音レベルを30dBに抑えた。

 系統連系保護機能も強化した。複数のパワーコンディショナー間の同期用配線を必要とせず、系統連系協議を簡素化できる。単独運転検出機能として、新たに能動的なフィードバック方式を追加した。

 通信機器を接続するインタフェースを備えており、遠隔監視サービスを利用できる。「当社のグループ会社である安川情報システムが提供する「EneSight Viewer」に対応している」(安川電機)。オプションとして2つの有償サービスを提供する。10年間の保証サービスと、海岸から500m以上に設置が可能な塩害対応品の提供である。

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