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» 2014年10月29日 11時00分 UPDATE

電力供給サービス:水素で再生可能エネルギーの出力変動を吸収、2017年度までに実用技術を確立

太陽光や風力など天候によって出力が変動する再生可能エネルギーの課題を水素で解決することができる。余剰電力を水素に変換して貯蔵する方法だ。2020年代に水素社会を構築する国の戦略を見据えて、再生可能エネルギーを利用した水素変換システムと水素発電システムの技術開発が始まる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2014年度中に「水素社会構築技術開発事業(水素エネルギーシステム技術開発)」を開始する。2017年度までのプロジェクトで、まず2014年度に3億円の予算を割り当てて実証研究に着手する計画だ。

 このプロジェクトで開発する水素関連の技術は2つある。1つは水素を利用して再生可能エネルギーの出力変動を吸収するシステムである。太陽光や風力による発電設備は天候の影響を受けて出力が変動するために、電力の安定供給の面で大きな課題になっている。そうした出力の変動によって生まれる余剰電力を電気分解して、水素を製造することが可能だ(図1)。

suiso3_sj.jpg 図1 水素の主な製造方法。出典:NEDO

 欧米では「Power to Gas」と呼ばれていて、電力を水素ガスに変換して貯蔵する方法として各国で技術開発が進められている。NEDOのプロジェクトでは「Power to Gas」の仕組みを生かして、再生可能エネルギーの出力変動を吸収するシステムの実証研究に取り組む。

 もう1つの開発テーマは水素発電システムである。水素を燃料に使って発電できるガスタービンなどを開発して、CO2を排出しない水素発電の実用化を推進する。水素発電は再生可能エネルギーから変換した水素を再び電力として再利用するための重要な技術になる。

 NEDOは2つの開発テーマと市場調査を合わせて、2017年度までの3年強をかけてプロジェクトを進めていく。事業者との共同研究か委託方式で実施するために、10月24日から公募を開始した。2015年1月までに共同研究・委託先を決定して、2月から開発に着手する方針だ。

 政府は国の新しいエネルギー供給体制の実現に向けて「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を6月に発表した。2020年の東京オリンピックを契機に先進的な水素社会を構築して、日本の技術力を世界にアピールする構想だ。当然ながら水素発電が重点テーマの1つになっていて、2020年代の半ばをめどに主要な技術を確立する目標が盛り込まれている(図2)。

suiso2_sj.jpg 図2 水素発電のロードマップ(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 すでに国内では神奈川県の川崎市や秋田県などが民間企業と共同で、水素発電を含む水素製造・供給インフラの構築に乗り出している。NEDOの実証研究の成果は各地域の取り組みにも生かされることになる。

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