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» 2014年12月03日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:バイオマスにも乗り出すJR東日本、青森県に12MWの発電所を建設

北東北エリアで「再生可能エネルギー基地化」を推進するJR東日本が新たにバイオマス発電事業を開始する。住友グループの2社と共同で青森県の八戸市に発電所を建設する計画だ。青森県内の森林や沿線の鉄道林から出る間伐材などを利用して、2万3000世帯分の電力を供給する。

[石田雅也,スマートジャパン]
hachinohe_sj.jpg 図1 八戸市の位置。出典:八戸市総合政策部

 JR東日本は八戸市(はちのへし)の八戸港に近い工業用地に、木質バイオマスを燃料に利用する発電所を建設する(図1)。住友林業と住友大阪セメントを加えた3社共同の発電事業会社「八戸バイオマス発電」を設立済みで、2015年6月に着工する予定だ。運転開始は2017年12月を目指す。

 発電能力は12MW(メガワット)と大きく、年間の発電量は8500万kWhに達する見込みだ。一般家庭で2万3000世帯分の電力使用量に相当する規模で、八戸市の総世帯数(10万6000世帯)の2割以上をカバーすることができる。

 燃料には青森県の南部で森林が多い「三八・上北・下北(さんぱち・かみきた・しもきた)地域」から発生する間伐材や製材端材のほか、JRの鉄道沿線に広がる「鉄道林」の間伐材を主に利用する。八戸港に近い立地を生かして、東南アジアから輸入するパームヤシ殻も併用する方針だ。

 JR東日本は震災後に策定した「グループ経営構想V(ファイブ)」の中で、青森・岩手・秋田の北東北3県を対象に「再生可能エネルギー基地化」を推進している。秋田県では沿線の空き地2カ所にメガソーラーを建設する一方、鉄道林の中で風力発電の事業化調査を2014年3月に開始した。

 さらに青森県の八甲田(はっこうだ)北西地域では地熱資源の開発プロジェクトに参画している。新たに青森県内でバイオマス発電にも取り組むことで、4種類の再生可能エネルギーを北東北エリアで展開することになる(図2)。

jr_east1_sj.jpg 図2 JR東日本が北東北エリアで推進する「再生可能エネルギー基地化」の全体計画(画像をクリックすると拡大)。出典:JR東日本

 パートナーになる住友林業は木質バイオマスで日本最大の「川崎バイオマス発電所」(発電能力33MW)を2011年から神奈川県で運転している実績がある。現在は北海道の苫小牧市や紋別市で木質バイオマス発電所を建設中だ。

 住友大阪セメントも栃木県の自社工場で木質バイオマス発電設備を運営している。八戸市のバイオマス発電所が稼働したら、発電後の焼却灰を八戸市内にあるグループ会社のセメント工場で原料として利用する。

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