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» 2014年12月22日 09時00分 UPDATE

電気自動車:水素ステーションにガス会社の強み、MIRAIが走る首都圏に展開

東京ガスが関東で初めての商用水素ステーションを12月18日にオープンした。東京都内に運営する天然ガススタンドに併設する方式で、トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」の発売に合わせた。水素を作る天然ガスの調達・供給能力を生かして、未来に広がる水素事業で先行する狙いだ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 トヨタ自動車が燃料電池車の「MIRAI」を発売した12月15日から3日後に、東京ガスは「練馬水素ステーション」を東京都内に開設した(図1)。すでに岩谷産業が関西と九州で商用の水素ステーションを1カ所ずつ開設しているが、関東では初めての商用水素ステーションになる。

togas2_sj.jpg 図1 「練馬水素ステーション」の開所式の様子。出典:東京ガス

 水素の供給能力は現在の水素ステーションでは標準的な1時間あたり300立方メートルである。1台の燃料電池車に対して3分程度で水素ガスを充填して、1時間あたり5〜6台に充填することができる。外部から水素を供給する「オフサイト方式」のため、敷地内には水素圧縮機と蓄ガス設備を備えている。既設の天然ガススタンドに併設することで維持管理コストの低減を図った。

 さらに今後は近隣の水素ステーションと連携して、都市ガス会社ならではの強みを発揮していく。東京ガスは埼玉県に2つ目の商用水素ステーションを建設中で、都市ガスから水素を製造する「オンサイト方式」の設備を運営する予定だ。完成後はオンサイト方式の水素ステーションを「マザー」に、そこから水素の供給を受けるオフサイト方式のステーションを「ドーター」に位置づけて製造・調達面の効率化を進める(図2)。

togas1_sj.jpg 図2 東京ガスの水素ステーション展開構想。出典:東京ガス

 すでに東京ガスは東京都内の2カ所にオンサイト方式の実証設備を運営して、現地で製造した水素を燃料電池車や燃料電池バスに供給している(図3)。羽田空港の近くにある「羽田水素ステーション」では、都市ガスから水素を製造する過程で発生するCO2を分離・回収する装置も日本で初めて併設した。回収したCO2は液化した状態で千葉県の植物工場に運び、トマトの栽培に利用している。

togas3_sj.jpg 図3 実証試験中の「羽田水素ステーション」。出典:東京ガス

 ガスの市場でも電力に続いて2017年4月に小売の全面自由化を実施する見通しで、電力とガスを合わせたエネルギー市場の競争が激化するのは必至の情勢だ。さらに未来のエネルギー源として水素を拡大する国家戦略が動き出したことから、ガス会社は競争力を発揮しやすい水素にも注力して事業拡大を目指す。

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