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» 2015年01月08日 09時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:鹿児島の地熱発電所にトラブル、蒸気タービンと復水器に異常発生

地熱発電が盛んな九州で2番目の規模を誇る「山川地熱発電所」で、1月6日(火)にトラブルが発生した。発電設備の基幹部分である蒸気タービンに多数の損傷が見つかった後に、発電後の蒸気を温水に戻すための復水器でも異常が発生して、運転を一時停止する事態に陥った。

[石田雅也,スマートジャパン]

 九州電力の「山川(やまがわ)地熱発電所」は鹿児島県の指宿市で20年前の1995年に運転を開始した(図1)。発電能力は3万kWで、日本有数の地熱発電所である。これまでに16万時間を超えて運転を続けてきた。2014年10月から法定点検を実施したところ、蒸気タービンの一部に損傷が見つかったため、損傷した部分を取り外したうえで12月29日(月)に法定点検を完了していた。

yamakawa0_sj.jpg 図1 「山川地熱発電所」の全景と所在地。出典:九州電力

 年が明けて出力を1万4000kWに落として運転を再開したが、1月6日(火)の午前8時14分になって自動的に運転を停止してしまった。蒸気タービンから発電後の蒸気を受け取って温水に戻すための「復水器」で異常が発生したためだ(図2)。復水器の中の水位が基準を超えて上昇したことによる。

yamakawa1_sj.jpg 図2 発電設備の概要と蒸気タービンの損傷個所。出典:九州電力

 九州電力が復水器を点検した結果、水位を検出する装置に空気が入り込んで、制御に不調が生じたことが判明した。空気を吸い込んだ個所を修復して、1月7日(水)の午前3時18分に運転再開にこぎつけた。19時間で復旧させる迅速な対応だった。ただし蒸気タービンの損傷部分は欠如したままである。

 地熱発電の基本的な仕組みは火力発電と同様だ。高温の蒸気でタービンを回転させて発電機を駆動する。山川地熱発電所の法定点検で見つかった損傷部分は、蒸気タービンを回転させる「動翼」の一部である。蒸気タービンには複数段の動翼が付いていて、最初に高温の蒸気を受ける「第1段動翼」に多数の損傷個所があった(図3)。

yamakawa2_sj.jpg 図3 損傷した「第1段動翼」の構造(左)と損傷個所の詳細(右)。出典:九州電力

 第1段動翼は合計152枚で構成している。そのうち半数以上の85枚が損傷していたほか、動翼を埋め込む溝にも4カ所で損傷が確認できた。九州電力は新しい動翼を製造して取り付ける予定だが、「長期間を要する」として具体的な時期を明確にしていない。その間は出力を2万5960kW以下に抑えて運転する。

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