今年の冬も伸びない電力会社の発電電力量、1月は水力が増えて火力が減る電力供給サービス

2015年1月の電力会社10社による発受電電力量は前年比で1.9%の減少になった。2012年から4年連続で1月の減少が続いている。全体の7割以上を占める火力が4.8%減る一方で、水力が20.8%と大幅に増えた。水力以外の再生可能エネルギーは3.7%の増加だった。

» 2015年02月16日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 電力会社10社の実績データをまとめた電気事業連合会によると、1月は気温が前年と比べて高めに推移したために、暖房需要が減少して発受電電力量を押し下げた。とはいえ電力の需要は気温にかかわらず減少傾向が続いている。

 1月の発受電電力量は10社の合計で837億kWhだった(図1)。前年1月と比べて1.9%の減少である。12月は835億kWhで、今年の冬に入ってからは横ばいの状態だ。おそらく2月も同程度に収まるだろう。

図1 電力会社10社による2015年1月の発受電電力量(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 電源別の内訳を見ると、火力が前年から4.8%も減っている。需要の減少に伴って、燃料費がかかる火力の発電電力量を抑制したことによる。燃料の消費量では石炭が45%、LNG(液化天然ガス)が40%で、石油は15%にとどまっている。燃料費の高い石油の比率は今後も減り続けることが確実だ。

 その一方で水力と再生可能エネルギーが増えて、発受電電力量に占める比率が5%を超えた。しかも電力会社の発電設備だけである。今後さらに水力と再生可能エネルギーを増やしていけば、原子力を再稼働しなくても火力の比率は下がっていく。

 2014年度に入って電力会社の発受電電力量は縮小している。4月から11月まで8カ月連続で前年を下回った(図2)。12月は1.3%の増加に転じたが、これは前年の12月が2.2%の減少だった影響もある。このペースでいくと、2014年度は年間で3%程度の減少になる。2013年度の0.1%減、2012年度の1.4%減を上回る減少率になる見通しだ。

図2 前年同月と比べた増減率(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 発受電電力量の減少は販売電力量の減少にもつながる。冬は夏に続いて販売電力量が拡大して、電力会社の売上を押し上げる時期である。ただし12月の販売電力量は前年比で1.3%の減少だった。1月と2月も減るようだと、電力会社の売上も伸び悩む。

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