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» 2015年02月25日 09時00分 UPDATE

法制度・規制:太陽光発電は2〜5円の引き下げに、2015年度の買取価格が決まる

固定価格買取制度による2015年度の買取価格が内定した。太陽光発電は住宅用が2〜4円、非住宅用が3〜5円の引き下げになる。2015年度に認定を受ける非住宅用の太陽光は2014年度の32円から27円へ低下する。一方で未利用木材を使うバイオマス発電が32円から40円へ引き上げられる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 毎年度の買取価格を検討する「調達価格等算定委員会」が2015年度の最終案をまとめた。この案を受けて経済産業大臣が3月中に告示して2015年度の買取価格が正式に決まる。例年通り委員会の最終案がそのまま採用される見込みだ。

 太陽光発電のうち住宅用(出力10kW未満)は2014年度の1kWhあたり37円(税抜き、以下同じ)から4円も下がって33円になる(図1)。発電システムの費用が低下したことによるが、コストだけを考えると35円が妥当な水準で、さらに2円も下がる理由は不明確だ。電力会社による出力制御に必要な機器を併設した場合には、その分の費用が増えるために買取価格は35円になる。

2015kaitori1_sj.jpg 図1 太陽光発電(住宅用、出力10kW未満)の買取価格案と基本データ。出典:資源エネルギー庁

 非住宅用(出力10kW以上)の引き下げ幅はさらに大きい。2015年度は買取価格が2本立てになって、6月までが29円、7月からは27円に引き下げられる(図2)。2015年度に認定を受ける発電設備の大半は7月以降にならないと電力会社との接続契約を完了できないため、7月以降の安い買取価格が適用される。2014年度の32円と比べて5円の低下だ。

2015kaitori2_sj.jpg 図2 太陽光発電(非住宅用、出力10kW以上)の買取価格案と基本データ。出典:資源エネルギー庁

 住宅用の買取価格に反映した出力制御機器の設置費用は非住宅用では発電コストに加算しない。「当面は全国的に大規模な出力制御が生じることは想定しにくい」というのが委員会の判断だ。政府は1月26日に太陽光と風力を対象に出力制御の新ルールを導入したが、その必要性を否定するような見解とも受け取れる。2016年度の買取価格を決める時に再検討すべき課題である。

 太陽光を除く風力・水力・地熱・バイオマスの買取価格は2014年度のまま据え置く。ただしバイオマスのうち未利用木材を使った出力2000kW未満の発電設備だけは32円から40円へ引き上げる(図3)。これまでに運転を開始した発電設備の実績データが増えた結果、発電コストが従来の想定を大きく上回ることが確認できたためだ。

2015kaitori3_sj.jpg 図3 木質バイオマス発電(未利用木材、出力2000kW未満)の買取価格案と基本データ。出典:資源エネルギー庁

 未利用木材は間伐材などの森林に残置された木質バイオマス資源が主な対象である。発電に利用することで森林を健全な状態に維持できるうえに、林業の収入増加にもつながる。農林水産省が木質バイオマス発電の導入を推進していることもあり、2015年度の買取価格を大幅に引き上げる。

 2014年度までは太陽光からバイオマスまで発電コストを重視して買取価格を決めてきたが、2015年度は政府の意向を反映させてメリハリをつけた。日本の再生可能エネルギーが太陽光発電に偏り過ぎていることは明らかで、妥当な措置と言える。今後も出力が安定している水力・地熱・バイオマスを拡大する施策は必要になる。導入状況によっては2016年度にも買取価格を部分的に引き上げることが予想される。

2015kaitori4_sj.jpg 図4 2015年度の買取価格案(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

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