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» 2015年05月14日 11時00分 UPDATE

自然エネルギー:再生エネ100%で走る電動自転車、福岡で全国初のシェアリング実証

再生可能エネルギーの導入やスマートコミュニティの構築に関して積極的な取り組みを進める福岡市で、太陽光と風力で充電した電動アシスト自転車のシェアリング実証事業がスタートした。再生可能エネルギーのみで電動アシスト自転車の電力を賄う全国初の取り組みで、2015年6月まで行われる。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 この事業は福岡市内における再生可能エネルギーの活用や、スマートコミュニティの構築促進に向けて設立された「福岡市スマートコミュニティ創造協議会」の取り組みの1つ。電動アシスト自転車のシェアリング設備は、福岡市東区の「アイランドシティ 照葉パビリオン」の駐車場に設置されており、設備の運営は川崎商事が担当している。利用者は100%再生可能エネルギーで充電された電動アシスト自転車で周辺地域を走行できる(図1)。

rk_150513_fukuoka01.jpgrk_150513_fukuoka02.jpg 図1とシェアリング設備と実証実験で利用される電動アシスト自転車 出典:川崎商事

 電動アシスト自転車は、2輪タイプを7台、3輪タイプを1台利用する。バッテリー容量は5Ahで、満充電時の場合約30kmを電動アシストを受けながら走行できる。既に受付は終了しているが、事前登録で発行されるカードを使って自転車のレンタルを行う仕組みだ。充電は「再生可能エネルギー利用ポート」で行い、これが自転車の駐輪ポートも兼ねている。

 再生可能エネルギー利用ポートは、バッテリーシステムを内蔵する「RecoPort」と、自転車の貸出機が接続された「VeloPort」の2つのシステムで構成されている(図2)。2つのポートの上部には、定格出力165Wの太陽電池パネルが合計12枚設置されており、さらにRecoPortには出力300Wの風力発電機も取り付けられている。発電した電力はRecoPort内の鉛バッテリーに蓄電される仕組みだ。

rk_150515_fukuoka03.jpg 図2 「再生可能エネルギー利用ポート」の構成図 出典:川崎商事

 一般的な電動アシスト自転車は、バッテリーを取り外して個別に充電する必要がある。今回の実証事業は自転車のシェアリングサービスでもあるため、利便性を考慮して利用者がバッテリーを取り外すことなく、自転車ラック返却すると同時に充電が行えるよう設計が工夫されている。さらに再生可能エネルギー利用ポートは可搬型となっており、災害などの緊急時には必要な場所に移動させ、非常用電源システムとしてPCや携帯電話端末などの充電に利用できる。

 この事業が行われている福岡市東区のアイランドシティは、スマートコミュニティ形成のモデル地区に指定されている。既に2010年に「福岡スマートハウスコンソーシアム」がアイランドシティ内にスマートハウスの構築を行うなど、先進的な取り組みが行われている地区だ。このスマートハウスは、現在では常設展示場となっており、事前予約によって誰でも見学することができる。

 福岡市は今回の再生可能エネルギーを利用した電動アシスト自転車のシェアリング事業など、アイランドシティを中心にスマートコミュニティの構築に関連した技術ノウハウを蓄積やパッケージ化などを進め、国内外への展開を視野にいれた取り組みを進めていく。

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