牛の排せつ物で走るバイオメタンバス「Bus Hound」が、ミルブルック試験場において、一般の運行バスとしては世界最速となる時速76.785マイル(123.6キロ)を達成したという。
Bus Houndは、英国レディング市において、バイオメタンガスを燃料にして走る運行バスで、主に牛の排せつ物から生成されるバイオメタンガスで走っていることが特徴だ。車体にはホルスタインのような独特の牛の模様が描かれている(図1)。
ミルブルック試験場での走行試験で、Bus Houndが達成した記録は最高速度が時速 80.73マイル(129.9キロ)、一周のラップタイムで時速76.785マイル(123.6キロ)というもの。全てのバスを対象に加えると世界最高速ではもっと速い記録があるが、通常の定期運行バスの記録としては最高速になるとしている。実際にBus Houndは、特に記録達成のために大きなチューニングを行ったわけではなく、記録達成の翌日には通常の運行サービスに戻ったという(図2、図3)。
この結果は、輸送用の持続可能燃料として、バイオメタンガスや自然ガスが大きな価値を持つことを示すものだ。Reading BusesのCEOであるマーティン・ギルバート(Martijn Gilbert)氏は「この結果は環境にやさしいバイオメタンガスの価値をより広く訴えるものだ」と語っている。
Reading Busでは、現在34台のバスの車体を保有しているが、このうち20%が天然ガス(CNG)バスだという。
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