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» 2015年08月13日 10時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:世界初のカセットガスで発電するファンヒーター、電源は一切不要

世界初となるカセットガスを利用するファンヒーターが登場した。岩谷産業とダイニチ工業が共同開発したもので、2015年8月27日から販売を開始する。

[長町基,スマートジャパン]

 岩谷産業は世界初(同社)となるカセットガスで電力と熱を生む「カセットガスファンヒーター」(図1)を、2015年8月27日から全国のホームセンターや通信販売を中心に販売する。同製品は同社と石油ファンヒーターの大手メーカーであるダイニチ工業が共同開発した。価格は税別3万円、販売目標は年間2万台だ。

rk_150812_iwatani01.jpg 図1 「カセットガスファンヒーター」出典:岩谷産業

 カセットガスファンヒーターのサイズは、幅319×高さ438×奥行438ミリ、本体重量は約4.7キログラム(カセットガス含まず)だ。小型軽量で、移動しやすさにも配慮している。立消えや不完全燃焼の防止、転倒時消火などの安全装置も備えた。最大出力は1720kcal/h(キロカロリー/時)に相当する2.0kW(キロワット)。温風の吹き出しは点火後約50秒、カセットガス1本の連続燃焼時間は標準モードで約103分、弱モードで約138分だ。1台当たりの暖房の目安は、コンクリート集合住宅が7畳、木造戸建住宅の場合が5畳までとしている。

rk_150812_iwatani02.jpg カセットガス式のため燃料交換も簡単に行える 出典:岩谷産業

 同製品は「熱電発電モジュール」と「カセットガス」の組み合わせて電力を熱を生み出すため、電池や電源コード、ガスホースなどを一切必要としない点が最大の特徴だ。カセットガス式なので燃料の入手や交換が手軽で、面倒な燃料補給の手間も省ける。

燃焼熱を「電力」と「暖気」に

 カセットガスファンヒーターの仕組みを(図2)に示す。中核部品に熱電発電モジュールを採用しており、まずこれを利用してカセットガスの燃焼熱から機器内で自家発電行う。次に発生した電力でファンモーターを駆動させ、カセットガスの燃焼熱を「温風」として排出する。カセットガスの燃焼によって加熱される部分Aと、加熱されない部分Bの間に熱電発電モジュールを配置することで、点火するとAとBの間に温度差が生じて起電力が発生し、ファンが回転するという仕組みだ。

rk_150812_iwatani03.jpg 図2 「カセットガスファンヒーター」の仕組み 出典:岩谷産業

 ファンが回転するとB部分が空冷効果で冷却され、Aとの温度差がさらに広がる。そして、大きな温度差が継続することで安定した発電が行われ、駆動するファンから十分な温風が送られることになる。製品の構造設計はダイニチ工業が行い、熱電発電モジュールに関する基礎研究とカセットガスの燃焼技術については岩谷産業の知見が生かされている。製造はダイニチ工業の工場(新潟市)で行うとしている。

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