東京ガスが電力小売りに参入、電気とガスのセット割で電気市場切り崩しへ電力供給サービス(1/2 ページ)

2016年4月の電力小売り完全自由化に向けて、小売電気事業者登録が加速している。新たに2015年10月15日には東京ガスが登録申請したことを発表し、2016年4月から電力小売りを行うとしている。

» 2015年10月19日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 2016年4月に電力小売りが全面自由化への移行を控え、家庭向けの電力を販売する「小売電気事業者」の登録申請が加速している。2015年8月3日に登録申請が開始されたが、企業や自治体などの登録申請が相次いでいる。同年10月8日には、小売電気事業者の第1回目の審査結果を発表。40社が審査を通過している(図1)。

photo 図1 小売電気事業者の審査を通過した事業者(40社、2015年10月8日時点) 出典:電力取引監視等委員会

 書類申請だけで登録可能だった従来の「特定規模電気事業者(PPS)」ではなく、小売電気事業者の認定にはには業務の遂行能力が問われるため、インフラ事業者としてのノウハウや小売事業者としてのノウハウなどが必要になる。その点で、有力な新規小売電気事業者として注目を集めているのが、ガス会社だ。第一回の小売電気事業者の審査の中でガス会社では、静岡ガス&パワーや北海道瓦斯などが既に認証を受けているが、大阪ガスなども登録申請したことを発表。最大手である東京ガスの動向にも注目が集まっていた。

2016年4月から電力小売を開始

 東京ガスでは2015年10月15日に小売電気事業者の登録を申請したことを発表し、合わせて2016年4月から家庭向けに電力の販売を開始することを明らかにした。販売エリアは、主に現在の東京ガスのガス供給エリアを中心とした関東圏とし、販売は東京ガスライフバル・エネスタ・エネフィットなど東京ガスグループによる販売を通じて行う。また、住宅・建築・設備や通信・情報サービスの業界の事業者、卸先の都市ガス事業者、LPG事業者など、各業界とのパートナーシップによる販売についても協議を進めているという。

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