これが30年前に思い描いた“MIRAI”か、トヨタが米国で燃料電池車発売電気自動車(1/2 ページ)

トヨタは2015年10月21日(現地時間)、米国で燃料電池車「MIRAI」の販売を開始したことを発表した。同日は人気映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで“未来”として描かれた日付であり、トヨタでは同シリーズとのタイアップでMIRAIを米国に売り込む。

» 2015年10月23日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2015年10月21日(現地時間)、燃料電池車(FCV)「MIRAI」の米国販売を開始した。

 トヨタは2014年12月に世界初の量産型FCVとしてMIRAIの国内販売を開始。メーカー希望小売価格としては700万円以上と高額であるにもかかわらず、発売1カ月で受注が1500台にも及ぶなど、環境に負荷を与えない自動車として国内外から多くの注目を集めている。国内では既に今すぐに注文したとしても、納期が2019年以降という状況で、非常に手に入りづらい状況だ(関連記事)。

 一方で、「水素社会」や「FCVインフラの普及」という意味では、先進諸国への販売を進め、水素ステーションなどの整備を後押ししたい考えだ。

 これらを背景に、トヨタでは2015年10月21日からMIRAIの米国販売を開始した。認知を獲得するために、人気映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)」シリーズとタイアップし、大規模なキャンペーンを展開する(図1)。

photo 図1 トヨタがキャンペーン用に作ったMIRAIの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」コンセプトモデル。映画でタイムスリップマシンとなった「デロリアン」と合わせ、ガルウィングとなっている 出典:トヨタ

 2015年は人気映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)」公開から30周年であり、さらに2015年10月21日は「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で、主人公たちが「未来へ戻る(バック・トゥ・ザ・フューチャー)」として、1985年からタイムスリップした日付でもある。

 発売イベントでは、同映画の主役であるマーティ・マクフライ役を務めたマイケル・J・フォックス(Michael J. Fox)氏や、“ドク”ことエメット・ブラウン博士役を務めたクリストファー・ロイド(Christopher Lloyd)氏が登場。MIRAIの発売を盛り上げた。MIRAIは既に、水素ステーションの設置が進みつつあるカリフォルニア州において、2000台以上の受注を獲得しているという。トヨタはMIRAIの受注が好調なことを受け、当初の2015年末までの約700台という生産計画を2016年に2000台、2017年には3000台程度に拡大すると発表している。

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