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» 2015年11月27日 09時00分 UPDATE

省エネ機器:白熱灯に2016年度から省エネトップランナー制度を適用、蛍光灯には言及なし (1/2)

政府は官民対話の中で省エネ関連政策についての方針を示した。新たに白熱灯に省エネトップランナー制度を適用する他、従来製造業向けに展開してきた同制度を流通・サービス業に拡大するという。一部報道であった蛍光灯についての言及はなかった。

[三島一孝,スマートジャパン]

 省エネトップランナー制度は「エネルギーの使用の合理化に関する法律(以下、省エネ法)」が1997年のCOP3(気候変動枠組み条約第3回締約国会議)を受けて改正されたことにより、始まった制度である。

 省エネトップランナー制度とは、自動車の燃費基準や電気・ガス石油機器などの省エネルギー基準を、それぞれの機器にいて最も優れている機器の性能(トップランナー基準)以上にするというものだ。同一製品内において最も優れている製品をターゲットに一定期間内でのメーカー間での競争を促し、市場内の全商品の省エネ化を図るという狙いの制度である。市場に流通している製品の大半が基準を達成した時点で次のトップランナー基準を決め、継続的に省エネ化を進めていくことができることが特徴だ(図1)。

photo 図1 トップランナー制度の仕組み 出典:省エネルギ―センター

 トップランナー制度の対象製品は2014年11月時点で、31品目が特定機器とされており、電球形LEDランプについては既に対象製品となっている。2015年11月26日に行われた「未来投資に向けた官民対話」で示した政府の方針では、この新たな品目として2016年度から白熱電球を加えるということになる。

現実的には白熱灯は縮小の方向へ進む

 同制度はトップランナー基準を満たさないからといって、即座に製造や販売の禁止を求める制度ではない。トップランナー基準を満たさなければ、社名の公表や罰金などの措置がとられるケースや、省エネ度を示す省エネラベル表示で未達を示すことなどが必要となるケースなどがあるが、製造や販売そのものは規制を受けるわけではない。

 ただ、一般的な白熱電球については2012年に政府から業界団体に「家庭で多用されている口金26型白熱電球などについて、省エネ性能に優れた電球型蛍光ランプ・LED照明など高効率な照明製品への切替えが進むよう、関係する各主体が、それぞれの立場で実施することができる取り組みについて、一層の積極的な御対応を頂くよう、関係各方面に協力を要請します」という要請文書が送られている(関連記事)。

 これを受けて、東芝ライテックやパナソニックなど主要メーカーは一般的な白熱電球の生産を中止している。特殊用途の白熱灯などはまだ生産されているが、積極的に開発費を投じて、トップランナー基準をクリアするようになるとは考えにくい。現実的には白熱灯の生産は抑え、省エネ性に優れたLED照明などで「白熱灯に近い表現力」を追求する方向に研究開発を進めていくという流れが予想される。

 また、今回の官民対話では蛍光灯についての言及はなかったとされ、省エネトップランナー制度で蛍光灯が加えられるかどうかについてはまだ分かっていない。ただ、仮に省エネトップランナー制度の適用を受けたとしても、先述したように、ただちに製造や販売が禁止されるということはない。

 一方で、2020年に明確に製造・輸入・輸出が禁止されることが決まっているのが水銀含有量の多い照明である。

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