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» 2016年02月04日 15時00分 UPDATE

自然エネルギー:日本最大級の塩田メガソーラー事業、鳥やネズミを増やして猛禽類を保護

瀬戸内Kirei未来創り合同会社が岡山県で、瀬戸内海に面する広大な塩田跡地を活用して出力230MWを誇る日本最大級のメガソーラーを建設するプロジェクトを進めている。この事業と並行して取り組んでいた、塩田跡地に残る独自の自然環境を保全する「ハビタット(動植物の生息場所)」の整備がこのほど完了した。

[長町基,スマートジャパン]

 岡山県瀬戸内市にある「錦海塩田跡地」を活用したメガソーラープロジェクトの一環として、自然環境の保全との両立を目指して整備が進められてきた「錦海ハビタット」がこのほど完成した(図1)。

rk_160203_setouti01.jpg 図1 「錦海ハビタット」の全景 出典:くにうみアセットマネジメント

 錦海塩田跡地では1971年の塩田事業廃止の後、40年以上の時間をかけて、雨水と海水の混じり合う塩性湿地の中にヨシ原(植物のヨシが群生している場所)、水路、クリーク(小川)、ヤナギ林などが混在する豊かな自然環境を形成してきた。錦海ハビタットはこの環境を可能な限り保全し、生息する動植物への影響を最小限に抑えることを目的に約16ヘクタールの土地を整備したものだ。

 錦海ハビタットは、2012年に瀬戸内市から受託して策定した「錦海塩田跡地活用基本計画」の中で、エコロジカル・ランドスケープの手法を駆使し、環境対策の一環として計画・立案された。エコロジカル・ランドスケープとは、地域環境の潜在能力を活用して、その地域でなければ成し得ない環境を保全・創出し、人を含めた生き物にとって健全な生態系を維持するデザイン手法である。なお、施工は同プロジェクトを請負う東洋エンジニアリングが担当している。

 錦海ハビタットは、特に希少な猛禽類の保護を目的としている。ヨシ原の水辺環境を残しながら既存の樹林やクリークを活用して、猛禽類の食餌環境の向上を図っている。水深に変化をつけて複雑に入り組ませたクリークや、自生植物を利用した植栽、小動物の生息しやすい環境の創出が猛禽類の餌となる鳥やネズミの増加につながることが期待されている。

 プロジェクトを実施する瀬戸内 Kirei 未来創り合同会社は、約500ヘクタールの塩田跡地のうち、約265ヘクタールに日本最大級となる出力230MW(メガワット)の「瀬戸内 Kirei 太陽光発電所」の建設を進めている(図2)。瀬戸内 Kirei 未来創り合同会社は、くにうみアセットマネジメントを代表として、GEエナジー・フィナンシャルサービス、東洋エンジニアリング、中電工の4社が出資する特別目的会社だ。事業用地の所有者である瀬戸内市とは、施行協定および土地賃貸借契約を締結し、再生可能エネルギーの普及だけでなく地域の発展や自然環境との共生を目指して事業を進めている。

rk_160203_setouti02.jpg 図2 「瀬戸内 Kirei 太陽光発電所」の完成予想図 出典:くにうみアセットマネジメント

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