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» 2016年02月16日 15時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:食品・農業廃棄物が200世帯分の電力に、排気ガスは地域農業に活用

エネルギー関連事業を展開する鈴与商事(静岡市清水区)が約9億円を投じて建設を進めていたバイオガス発電システム「鈴与菊川バイオガスプラント」(静岡県菊川市)がこのほど完成した。2016年4月から本格的に稼働を開始する。

[長町基,スマートジャパン]

 鈴与商事が建設した「鈴与菊川バイオガスプラント」は静岡県、菊川市、地元自治会と連携し資源循環を図り、エネルギーの地産地消と地球温暖化防止に寄与することを目的としている。発電には鈴与グループで食品製造業を営むエスエスケイフーズおよび農業生産法人のベルファームから排出される食品系・農業系の廃棄物と地域から排出される刈草などの有機系廃棄物を活用する。

 有機系廃棄物は1日当たり約6.7トンを搬入し、これをメタン発酵させ取り出したバイオガスを発電機の燃料として利用する。発電規模は120kW(キロワット)60kW発電機2機)。年間の想定発電量は約105万kWhで、これは一般家庭約200世帯分の年間使用量に相当する。

 また同プラントは発電だけでなく、それに伴って排出されるメタン発酵後の消化液や排気ガスの再利用にも取り組む(図1)。有機系廃棄物をメタン発酵させた後に残る消化液などの残渣は、露地作物や施設農業、茶業で肥料として活用できるよう静岡県農林技術研究所(磐田市)、および同茶業研究センター(菊川市)と連携して研究を進め、再び地域に還元することを目指す。

 バイオガス燃焼により生まれる排気ガスは、大阪府立大学大学院 工学研究科の安田准教授と公害防止機器研究所の技術支援によりNOx(窒素酸化物)を除去してCO2を精製し、ベルファームの農作物の光合成促進に活用する。

rk_160215_suzuyo01.jpg 図1 有機系廃棄物の活用の流れ 出典:鈴与商事

 静岡県は、食品製造業・施設農業で全国屈指の地域でもあり、鈴与商事は同プラントを通じて得られた知見をもとに、静岡県内を中心にバイオガスシステムの普及を図る方針だ。さらに未利用バイオマスの有効利用による廃棄物とエネルギーコストの削減を推進することで、資源循環型社会の形成への貢献することに努める。

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