熊本県内の停電が現在も2000戸以上で続く、高圧発電機車を25台追加へ電力供給サービス

4月16日(土)から断続的に発生している地震の影響で、熊本県内では20日(水)に入っても一部の地域で停電が続いている。土砂崩れの影響で送電線が利用できない阿蘇市と南阿蘇村では依然として2000戸以上が停電の状態にある。九州電力は高圧発電機車25台の追加を他の電力会社に要請した。

» 2016年04月20日 12時15分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

既報 (4月18日):「電力会社9社から熊本県へ高圧発電機車85台」

続報1(4月21日):「熊本県内の停電が解消、高圧発電機車で送電中」

続報2(4月22日):「送電線の復旧工事が阿蘇地区で進む、24日中に完了へ」

続報3(4月25日):「送電線の復旧工事完了は27日に延びる、降雨の影響」

 九州電力の発表によると、4月20日(水)の午前11時の時点でも2600戸で停電が続いている。熊本県の北東部に位置する阿蘇市と南阿蘇村で、この地区に電力を供給する送電線が周辺の大規模な土砂崩れによって使用不可能な状態にあるためだ(図1)。九州電力は20日中に停電の解消を目指している。

図1 九州電力の熊本県における事業エリア。出典:九州電力

 九州電力は熊本県内で広範囲に停電が発生した4月16日(土)に、他の電力会社に対して高圧発電機車などの派遣を要請した。すでに8つの地域から合計81台の高圧発電機車が熊本県に到着して、九州電力の分と合わせて115台が阿蘇・高森地区で送電を実施中だ(図2)。さらに発電準備中が18台、遠く北海道から20日の午後3時に4台が到着する。

図2 阿蘇・高森地区における高圧発電機車の配置状況(4月20日午前7時現在)。出典:九州電力

 送電中の高圧発電機車の故障や燃料不足の事態に備えて、九州電力は中部・北陸・四国の3電力会社に対して追加で合計25台の派遣を19日(火)に要請している。このほかに高圧発電機車に燃料を補給するためのタンクローリーを増強する必要があり、東京・関西・中国・四国の4社に派遣を要請した。各電力会社は準備ができ次第、熊本県に向けて輸送を開始する。

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